■ 2020年高速道路自動運転の実用化
2020年5月30日
数年前よりドライバーの高齢化や働き方改革による労働時間の制限等、様々な環境要因により国内運賃が上昇、繁忙期には価格よりも車がつかまらず運べないという問題が起こるようになった。
当社も紙パルプ、特に運賃の安い古紙の取り扱いが多い為運送の問題は大きな課題となっており、本レポートでも度々取り上げてきた。
AIの進歩による技術革新が日々報道される中で、日本でも自動運転の安全基準を定める「改正道路運送車両法」が施行した記事を見かけた。 改正法では自動運転を担う装置の安全基準や整備に関する規定(車検等)が盛り込まれている。
明確な基準を設定することにより自動車メーカーは、より開発に注力する事ができるようになるという。
自動運転はレベル0~5に段階分けされており、日産自動車やトヨタは2020年までに高速道路でのレベル3段階の自動運転実用化(販売開始)の目途が立っている事を発表、政府は2020年中に過疎地等の交通手段の乏しいエリアでのレベル4段階の自動運転を目標としている。
現在の運転アシスト(自動安全ブレーキやステアリング操作補助等)はレベル2に該当し、基本操作はコンピュータが行い緊急時のみ人によって運転するレベル3の導入は自動運転にとって大きな転換点となる。
今回の法整備は自動運転への大きな第一歩で高速道路専門のAI車両を所有した長距離物流サービスと、高速ICから戸別配送までの近距離輸送の二分化された新しい運送形態や集荷代理店ができるかもしれない。
自動運転とEVの普及により近い将来物流業界に大きな改変が起きるのではないだろうか。 一日も早い運送不足問題の解決を期待したい。
「自動運転のレベル」
レベル0(運転自動化なし)運転者が全ての運転操作を実施する
レベル1(運転支援)システムが前後・左右いずれかの車両制御に係る運転操作の一部を行う
レベル2(部分運転自動化)システムが前後・左右両方の車両制御に係る運転操作の一部を行う
レベル3(条件付運転自動化)限定された条件のもとでシステムが全ての運転タスクを実施するが、緊急時などシステムからの要請があれば運転者が操作を行う必要がある
レベル4(高度運転自動化)限定された条件のもとでシステムが全ての運転タスクを実施するが、システムからの要請などに対する応答が不要となる
レベル5(完全運転自動化)限定条件なしにシステムが全ての運転タスクを実施する