中国景気刺激策として対米関税を一部緩和

  ■ 中国景気刺激策として対米関税を一部緩和

2020年2月

新型コロナウイルスによる経済への影響を緩和する為に中国政府は18日、農産物やエネルギーなどの米国からの輸入品696品目を対象に追加関税の適用を免除することを発表した。

<対米関税追加免税措置>

免除期間は1年間で、3月2日からの適用開始となる。減税対象品目の中には古紙や鉄スクラップ、紙製品も含まれている。クラフトライナーや塗工紙、カップ原紙、BKPなど紙パルプ製品の5%追加関税が免除される。 

古紙は18年8月より関税が25%に増税されていたが今回の追加免税措置により0%となる。 19年中国の古紙輸入量は1036万t、そのうち44.49%にも相当する461万tが米国からの輸入だった。

一方今回の減税リストには再生パルプは含まれておらず20%の関税は維持される。 免税枠は月ごとの割り当て制で企業の輸入計画に基づく申請となっている。申請枠を超えた輸入に関しては追加関税がかかるとのことで企業は慎重に申請準備を進めている。現段階では港物流や通関は正常に稼働しておらず、マスクや防護服・医療品を優先している上、米国からの中国向け船便が欠航になるなど一般製品の輸入に変化が現れるのはもうすこし少し先になるだろう。 

今回の減税は1年間の期限付き減税だが、新型肺炎は思わぬ形で中国にとって米中貿易協議の足枷となってしまった気がする。 

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