■ ドイツ 天然ガス価格高騰で製紙休転
2022年7月22日
ロシアによるウクライナ侵攻とその経済制裁などの影響で欧州では天然ガス価格が高騰した。必要な天然ガスの50%以上をロシア産に依存していたドイツではエネルギー不足は深刻な問題となっており、大手製紙企業も休転を余儀なくされている。 大手製紙一貫企業であるHamburger Containerboard社は7月に約2万㌧の減産を発表した。エネルギー価格の高騰を受け採算の悪化を理由としている。同じく段原紙メーカーであるLeipa社も7~8月に於いて数週間マシンを停機し減産する事を発表した。休転によって削減される生産量は2~3万㌧になる見込みで、9月以降に再度60€の値上げの可能性を示唆している。 ドイツだけではなくイギリスに於いてもDS Smith社が大型休転を発表した。
ドイツ政府はロシアに対する制裁措置としてノード・ストリーム2の承認手続きを停止した。 ロシアは制裁に対する報復措置として既存ラインのノード・ストリーム1によるガス供給量を6割カットし、11日~21日までの間、定期点検を名目に完全に供給を停止した。ドイツではエネルギー大手企業が、ノード・ストリームへの投資費用やガス購買価格の高騰による損失が膨らみ政府に救済措置を申請するなど混乱が続いている。