古紙海外市況: 輸出古紙価格軟化 中国景気失速感と東南アジア再稼働に遅れ

  ■ 古紙海外市況: 輸出古紙価格軟化 中国景気失速感と東南アジア再稼働に遅れ

輸出段古紙価格はじりじりと軟化している。中国の「インフレ抑制」と「共同富裕」政策によって景気失速感がでた事によって秋需に入っても段原紙需要が伸び悩んだこと、また東南アジアの都市封鎖によって古紙価格は軟化を始めた。 

10月に入り東南アジアの都市封鎖は解除されたものの急稼動はしておらず、中国からの段原紙引き合いが弱い為古紙調達も意欲的ではない様だ。 中国では国慶節明け電力不足と石炭価格の上昇によって国内の段原紙価格は急上昇したものの、需要そのものが弱く値上がり幅に反して輸入紙への引き合いは強くない。 

さらに中国大手製紙企業が再生パルプの購入を減らした事から高止まりしていたAOCC価格が軟化を始めた。 再生パルプ向け米国古紙買い付けの手が緩んだことで、東南アジア製紙企業に米国古紙が回ってくるようになっている。 日本古紙への引き合いはEOCC、AOCCの軟化に合わせて弱含み、現在のオファー価格はCIF TAIWAN $270-275㌦(CY26.5-27.0) CIF VIETNAM $285-295(CY26.0-27.0)と先月末から10~20㌦ほど下落した。  

まもなく11月となり、秋需も終盤にさしかかる。年明けは旧正月など不需要期に入る為、ここから海外市況が上昇に向かう可能性は低くなってくる。今年の輸出古紙価格ピークは過ぎたのではないだろうか。 

しかし日本国内の需給が非常にタイトな状況であることや、円安が進んだ事から、円貨ベースの古紙価格は売値程下落していない。 

古紙問屋にも例年訪れる秋需に対する期待感や、国内でも輸出対応価格(プレミアム価格)をつける製紙企業が出ている事から無理に輸出する必要がなくなり、先安観がある輸出価格にも急いて出荷しようとする様子はない。 エリアによって若干の高値も残っている事も発生減と相まって価格軟化を遅らせる要因となっている様だ。

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