■ 王子製紙名寄工場閉鎖
2019年10月
10月4日、王子製紙より段ボール原紙を生産する名寄工場(北海道名寄市)を2021年中に閉鎖することが発表された。 先日苫小牧工場で新聞用紙マシンを段原紙に変える転抄計画が発表されており、21年に稼働30万tの増産となる予定だが、今回名寄工場を閉鎖し生産をシフトする。
名寄工場は抄紙機が2台あり1台を苫小牧工場に移設、22年4月に再稼働する。残る1台は21年12月に稼働を停止する。 停機するのは3号マシン(中芯)で年産16万3,000㌧。名寄工場には抄紙3400mmでKライナーや白ライナーを製造する2号機と4400mm幅の3号機中芯マシンがある。移設する2号マシン(特殊ライナー、特殊板紙)は年産4万7,000㌧の生産能力があり、名寄工場の閉鎖によって3号機16万3千トンの生産能力の削減となる。
苫小牧工場の新聞用紙のマシン転抄では、段ボール原紙とクラフト紙の生産を30万トン増やす予定だ。 現在、名寄工場で製造した段ボール原紙は苫小牧工場まで運搬し各地に輸送しており、拠点を集約することで物流費用を削減できる。
日本でも各メーカーが転抄や増産を発表しており、北越が20年1月より段ボール原紙事業への参入を発表(13万t/年)、丸三製紙が今年4月に原質改造による5万t/年のライナー増産、日本製紙大竹工場が6月から中芯を3万t/年増産。
大王製紙三島工場も印刷用紙からの転抄によって36万t/の増産を発表していた。 三島の増産の内10.8万tはクラフトを抄く予定であること、大王製紙系の大成がマシンを停機することを発表している為、今回の名寄工場の閉鎖を差し引きすると合計52.7万t/年の純増産となる。