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王子ホールディングス、350億円を投じマレーシアに段ボール原紙マシン増設 

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  ■ 王子ホールディングス、350億円を投じマレーシアに段ボール原紙マシン増設

2017年12月25日

王子ホールディングス(HD)は25日約350億円を投じて、マレーシアで段ボール原紙を2.5倍に増産することをを発表した。2018年中に着工し、稼働開始は2021年4月を予定している。年産量は45万トンの予定で完成後は既存マシン2台(合計年産30万t)と合わせた総年産能力が75万tとなる。 

45万tの段原紙増産に見合う原料古紙の調達については、現時点で具体的に定まった計画はなく、GSPPがマレーシア全土に保有する30数ヵ所の古紙集荷拠点から増量を図るほか、必要に応じて日本を含む海外からの輸入も検討するとしている。

投資金額の内訳はマシン部門が200億円、その他部門が150億円。化天然ガス(LNG)を使用した発電用ボイラーを新設し、購入電力から自家発電に切り換える計画。

王子HDは2010年4月にGSPP社を買収している。この買収時点では王子が全株式を取得していたが、実質的には丸紅との共同入札だったこともあり、同年8月に株式の25%を丸紅に譲渡している。

GSPPは、段原紙・段ボールを一貫生産するクアラランガット工場(所在地;クアラルンプール国際空港近郊)と段ボール専業のペナン工場(同;半島西方のマラッカ海峡に位置する島)という2ヵ所の製造拠点を持ち、2010年買収当時の売上高は150億円、板紙の年産能力は約30万トンだった。直近の売上高は日本円換算で約300億円、従業員数は約1,300名まで事業を拡大している。今回、マシンを増設するのは敷地面積39.6万㎡のクアラランガット工場で、ペナン工場(6.6万㎡)の約6倍という規模になる。

王子HDは現在段ボール加工関連でマレーシアやベトナムを中心に東南アジアに20拠点を持つ。加工部門は拡大したが、原紙は外からの供給に依存する。自社製原紙の自給率の拡大が課題となっていた。

現在30%程度にとどまっているグループの自製原紙使用比率を、70%前後まで高める意向。また、近年の東南アジア市場で、段ボール原紙の高品質化、低米坪化の要望が高まっていることも背景にあるという。

新たに原紙生産設備を増設することで、一層の事業拡大に向けた基盤整備を行うとともに、市場シェア拡大を目指す。

王子HDは16年にGSPPと紙おむつ事業にも参入している。

■ 設備投資概要

会社名:GS Paperboard & Packaging Sdn Bhd(GSPP)
所在地:マレーシア・セランゴール州(GSPP本社工場内)
投資額:約350億円(段ボール原紙マシン、エネルギー供給および用排水設備)
生産品種:ライナー、中芯
稼働開始予定:2021年4月

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