■ 海上運賃上昇、原紙・再生パルプ調達にも影響
2020年12月24日
中国では来年より古紙輸入が禁止となるが、製紙企業は自身のアジア工場向けの古紙調達、あるいはアジアのメーカーに再生パルプの買付オファーを強化している。
しかし昨今の海上運賃の高騰と古紙の回収減により古紙価格は上昇、200㌦付近で調達して作った再生パルプは380-400㌦付近まで値上がりした。インドからの輸出は410-420㌦とさらに高値になっている。
この価格帯で購入した再生パルプでは採算が合わず、中国では中芯(一般芯)が不足し輸入量も増加した。
一方で東南アジアに於いては古紙不足からローカル古紙価格も上昇、地元回収古紙が250㌦を超える地域もある。さらに原紙輸出に掛かる海上運賃も値上がりし、ベトナムでは採算悪化から中国向け原紙輸出を取りやめるメーカーもでている。 それらの中小製紙企業が原紙を国内に還流させコストアップ分の価格転嫁の妨げとなっている様だ。近隣のフィリピン、マレーシアでも同様で原紙の輸出需要なくして価格の維持は成り立たず、古紙コスト増と販売減により苦しい局面を強いられている。サプライチェーンが寸断されることにより原紙供給にタイト感がでる地域と、輸出が滞り価格が弱含むエリアが生まれているのも事実だ。