■ 2022年米国古紙輸出量 昨年対比7.2%減少 下半期発生減や製品需要減も影響
2023年3月17日
米国通関統計によると、2022年の米国古紙輸出量は1550万㌧を下回り昨年対比7.2%減少している事が明らかとなった。 白物古紙及び、古紙パルプの輸出量は微増したが、古紙全種では200万㌧少ない1,546.7万㌧となっており、段ボールが120万㌧、雑誌が12.8万㌧、新聞は7.5万㌧と主要回収品目の輸出量が大きく減少した。
輸出先別ではインドが最も大きな輸出向け先となっており、続いてメキシコ、タイ、ベトナムの準に多い。これら4か国で全体輸出量の60%を占めているが、インド向けは昨年対比5%、ベトナムは17%減少、タイ及びメキシコ向けは3%程度の微増だった。
価格面では23年の第一四半期は22年の同期比60~70%下落している。背景にはインフレによる米国内及び世界的消費減退によって包装需要が弱まっている事が上げられる。さらに発生量も減少しており、昨年末の大雨によって古紙問屋は水分引きして販売せざるを得なかった事は古紙問屋にとって痛手となった。また価格下落によって、回収分別コストの合わなくなったリサイクル業者(MRFs)が古紙を埋め立てに回すケースも増えており、市場に出回る古紙の絶対量を減少させる要因となった。