■ 北米航路コンテナ船 減便 古紙の運搬にも影響 古紙価格反発
2022年11月6日
世界的インフレの影響によって消費が冷え込んだ事で、コンテナ貨物の荷量が激減、中国と欧米を結ぶ国際コンテナ航路の運賃も急落した。 船会社は運賃下落を食い止めようと各航路を往来するコンテナ船の減便を相次いで発表した。コロナ渦のコンテナ不足に伴い、船会社各社はこぞって新造船を発注し、保有コンテナ数を増やした。しかしここにきて急激に荷量が減少した事で、逆に増えすぎたコンテナや本船が余剰する問題が発生している。
上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は10月中旬時点で22年初めの水準から7割下落。 クリスマスに向けたピークシーズンである10月の運賃下落は通常では発生しない。中国から北米を結ぶ航路は特に運賃の下落が激しく、2月の40フィートあたり8100㌦から10月には2100㌦と8割下落している。 一般的に北米航路は往路に於いて2000㌦を下回ると船会社は赤字になると言われ、船会社各社は運賃の下落をなんとか食い止めようと減便を実施した。
中国および東南アジアから北アメリカおよびヨーロッパに向かうコンテナ航路では、9月から10月にかけて全体の22%に及ぶ254便が運休。 具体的には北アメリカの西海岸行きが28%減、同東海岸行きが21%減、ヨーロッパ行きが17%減だった。
急激な減便の影響は古紙の運送にも及んでおり、東南アジアメーカーへの古紙デリバリーの遅れを招いている。 アジアメーカーは予定していた古紙の入荷が遅れ、目先の在庫確保、ひいては年末、旧正月に向け、古紙在庫に対する一時的な不安もでている。直近古紙相場が大きく崩れており、底値感もでていたことから、各社一斉に買い姿勢を見せており、この2週間で欧米古紙価格を中心に20~25㌦程価格が反発した。 現在の古紙相場はEOCC 95/5 CIF ASIA 130~150㌦ AOCC #11 140-160㌦まで反転上昇した。