■ 中国 玖龍社 22年下半期 13.89億元(265億円)の巨額赤字
2023年3月21日
中国大手製紙企業ナインドラゴンズペーパー(玖龍社)は3月13日、22年7月から12月期(下半期)決算発表を行った。発表によると、同社の販売数量は860万㌧と営業収益は311.98億元(約5952億円)と昨対比9.5%の減少、営業収益は85.3%減少の6億8610万元(130億円)で経常収支は昨対比42億元少ない▲13億8880万元(265億円)と赤字転落した。
同社は赤字の原因を新型肺炎の流行(ゼロコロナ政策)に伴う消費減退により、原紙販売価格が下落した事に加え、ウクライナ戦争によって原燃料コストが大幅に増加したと説明している。セグメント別では段原紙が3.3%、白板が13.2%減少し、平均販売単価は11.4%下落した。需要の低迷と販売価格の下落により、生産停止を余儀なくされた事により、生産能力拡大に関わらず、生産量は1.3%の減少となった。さらに、米㌦の金利が大幅に上昇した事により、支払金利は昨年対比67.5%増加、為替差損は4580.2万㌦にまで膨らんだ。
現在の企業環境は、パルプ価格が下落した事や積極的な生産調整と在庫削減を行う事で収益体制の改善を図るが、市場全体の供給過剰問題や海外景気減退による、海外部門の収益低下及び昨年末に発表された輸入紙の関税減税措置による影響とその改善計画が必要と付け加えた。
一方で、生産能力の拡充は今後も積極的に行っていく。原料となるパルプは中国国内において220万㌧の増産、マレーシアに於いても年産60万㌧の再生パルプマシンがまもなく稼働する。ウッドチップは中国国内で170万㌧、ベトナムで10万㌧、マレーシアで20万㌧の生産能力を獲得する。製紙部門では中国、マレー合わせて2024年までに625万㌧を増産する計画としている。段ボールは浙江省及び福建省に月間1600万㎡クラスの工場を2カ所設立し年間4億4000万㎡の生産拡張となる。