来年の中国ライセンスは500-600万tになる見通し。ライセンスの有無が優位性に大きく寄与。
2019年11月30日
来年の輸入ライセンスは今年よりさらに50-40%程カットされ500-600万tとなる見込みだ。中華系メーカーは限られたライセンスの殆どをAOCCの購入に充て日本の古紙は購入しないとの打診をしてきており、2020年はEOCC、JOCCともに中国向け輸出がさらに縮小することが予想される。
ライセンスを取得できるであろう大手メーカーは付加価値の高いAgradeライナーを優先的に製造する為、繊維長の長いAOCCを購入し不足する分はAOCC100%で製造された再生パルプの輸入によって補うと思われる。
つまりライセンスを持たない中小メーカーは地元のOCCを250~300㌦で購入しBgradeライナーを$480~530㌦前後で販売せざるを得ないが、ライセンスを持ったトップメーカーはAOCCを100~150㌦以内で調達しAGradeライナーを600~650㌦前後で販売できる事を意味する。再生パルプの価格帯もAOCC 100%品でCIF CHINA 300~330㌦付近である為十分に採算ラインに乗せる事ができる。
AOCC#12(DSOCC)を安価で入手できる現在となってはJOCCを買う理由がライセンスを取得した大手メーカーには殆どないといった状況だ。
現在旧正月明け船着の東南アジア向けOCCオファーはCIF $80-85㌦(CY5.0-5.5/kg)前後での交渉となっている。 2020年のベトナムの旧正月(テト)は他国同様1月23日~29日の7日間となる事がベトナム政府から発表されたが、ベトナムの改正労働法では西暦の元旦は1日、旧暦の正月は最低5日間の有給休暇を取らせることが義務付けられており、土日祝日を入れた上記7日間は税関を含む民間企業の殆どが休みとなる。
2ヶ月以上先の船積みにLCを直ぐに開かないメーカーもあり、さらに相場が下落した場合キャンセルされるリスクもある為、売り成約を取り付けてもLCが来るまでは仕入れを確定しづらい。相場下落に過剰感がある為に仕入れを遅らせ年明け万が一相場が反転すれば大損し、相場がさらに下落すればLCが来ない可能性もあり商社にとって旧正明けの東南アジア販売を今決めることは難しい局面となっている。