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玖龍社(ナインドラゴン)20年決算で過去最高益 原料開発と紙パルプ増産、今後は製品加工に進出し一貫化も狙う

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  ■ 玖龍社(ナインドラゴン)20年決算で過去最高益 原料開発と紙パルプ増産、今後は製品加工に進出し一貫化も狙う

2021年3月13日

玖龍社 (ナインドラゴン)は、2020年下半期の売上高が前年比7.1%増加し、過去最高の309億人民元(約478億ドル)となった事を発表した。 取り扱い数量も過去最高の860万トンを達成し、純利益は前年比75.6%増の40億人民元(約62億ドル)だった。売上総利益率は20.9%で前年同期比3.8%増加し、純利益率は5.1%だった。

2月末に発表された同社のプレスリリースでは 「新型肺炎により2020年は世界中が苦しんだ。また環境規制による古紙の輸入制限や、為替(RMB安)は中国の包装業界にとって大きな課題としてのしかかり、厳しい試練に直面している。当社はリーディングカンパニーとしての優位性を活かしてこの問題に対応していきたい」 

「21年から始まる中国の古紙輸入禁止政策に対応すべく、原材料や製造品目の変更など包括的な対策を講じてきた。木材パルプや古紙パルプなどのような代替え原料の積極的採用を進め、2020年末時点で当社のパルプ年間製造能力は85万㌧、中国国内の新工場である泉州、瀋陽、東莞の稼働により紙の生産量は200万㌧増加した。グループ全体の紙生産量は1,757万㌧に達している。」とコメントしている。

さらに同社は中国地方自治体の支援などを受け、湖北省・遼寧省・広西省および他の地域に於いてパルプ及び紙製品の一貫工場の建設を進める。政府の進める脱プラスチック政策に応じ、代替え素材として紙製品を開発し供給していく。2022年までに中国国内の木材パルプ312万㌧、紙板紙生産量を535万㌧、マレーシアでは23年までに60万㌧再生パルプと90万㌧の板紙を増産し、特にバージンベースのライナー(KLB)や食品グレード用漂白高板の生産能力を強化する。

また、自社の包装加工工場の生産能力も増強すると発表しており、21年末までに12億1000万㎡の増産を計画している。生産能力を垂直化させ、顧客への一貫サービス提供を進める。

2021年は新型肺炎のワクチンが普及し、国内消費と世界経済が回復し、輸出もさらなる増加が期待される。中国政府の掲げる「古紙輸入ゼロ」と「プラスチック禁止」政策により、紙製造業全体が新しいビジネスチャンスを手に入れると同社は期待している。

2021年、リサイクルパルプおよび国内調達チャネルを拡大し、原材料生産能力拡大を確実に実行し、コストと品質をより効果的に管理する。また、高付加価値製品に焦点を当て市場の開発に注力し、環境問題に配慮したパルプや紙の生産の研究開発を強化する計画だと述べた。

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