■ 玖龍社(ナインドラゴン)買収した米国パルプ工場に3億㌦追加投資を発表
2018年11月18日
中国最大手製紙企業のNine Dragons Paper(HD)は、今後2年間でウィスコンシン州とメーン州の工場に約3億㌦を投資し設備の更新を行う事を発表した。
メーン州ランフォード工場に約1億1,100万㌦を投資し、再生パルプ工場を建設する。パルプラインは日産約1200トンのドライパルプ製造能力となる。この改造により生産能力は20%向上し、50人が追加雇用される。
ウィスコンシン州の工場へは、1億8,900万米㌦を投資し、印刷用紙マシンを段原紙へ転抄、再生パルプマシンを二機設置する。再生パルプラインは、約1 900トンのドライパルプ生産規模となる見込みだ。
同工場は今年5月カナダのカタリスト社から約195億円で買収した。メーン州ランフォード工場は、2つのクラフトパルプラインがあり年産は46万トン、機械パルプ年5万トンを生産し、印刷用紙を年40万トン生産していた。ウィスコンシン州ビロン工場は、クラフトパルプを年30万トン生産し、こちらも印刷用紙を生産していた。
ランフォード工場においては、自社向け段ボール原紙生産用に改造し、針葉樹と広葉樹の両方を使用して年52万トンを生産する発表しており、今回の設備投資は今後買収した工場に於いて計画通り改造を進めるものと思われる。
また同社は8月にカナダ(RFP) Resolute Forest Productsグループのフェアモント工場を60億円で買収している。フェアモントは、ウエストバージニア州に再生パルプの専用工場として1995年に設立され年24万トンの生産能力がある。近年は新聞・雑誌の消費減や脱墨パルプ需要の減少により、経営状況が悪化。2012年からRFP社の傘下となっていた。
ナインドラゴンが買収した北米パルプメーカー
買収時期 | 企業名 | 工場所在地 | 生産品目 | 買収額 |
2018年5月末 | カタリスト | メーン州 | クラフトパルプ52万㌧ | 195億円 |
2018年5月末 | カタリスト | ウィスコンシン州 | クラフトパルプ30万㌧ | |
2018年8月末 | フェアモント | ウエストバージニア州 | 再生パルプ 24万㌧ | 60億円 |