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中国の今後の環境対策と古紙回収:国内回収は今後増えるのか

中国の今後の環境対策と古紙回収:国内回収は今後増えるのか

2018年3月30日

中国で古紙の回収率が徐々に上がってきてはいるが、思ったほどに進まない背景には家庭古紙の分別がまだ浸透しておらず、また統一した古紙の選別・品質基準がないことに原因がある。特に家庭紙古紙は分別が進まずパルプ物に比べ低品質な原紙からまだまだ再生物の普及は進んでいない。

中国中央政府は中国が世界一の古紙消費国でありながら古紙の回収率が欧米・先進国に比べ低く、大手製紙会社が古紙資源の調達を輸入に頼っていることについて改善の必要があるという見解を示した。

環境保護局は先日行われた第12回全国人民代表大会において「質疑6114号(輸入古紙増加の問題解決と、環境緑化促進に関する提言達成)」の回答として、国内の環境と人民の健康を守るために「

①産業廃廃棄物のリサイクルシステムの構築促進、

②製造物責任制度の確立と改善

③家庭廃棄物の分別分類の促進し家庭古紙の回収・リサイクル率の向上

を行うことで古紙の輸入量を減らし緑化開発目標を達成する」と発表した。2018年の古紙輸入ライセンスは前年度比で20%ほど減少すると言われている為、中国国内の古紙価格は2000RMBから2500RMB付近で高止まりすると思われる。

李干杰環境局大臣は環境汚染改善と防止の為に、「2015年に発表された(第13次5ヵ年計画)に基づき今後3年間の環境基準に於いてさらに規制を改善し発展させていく必要がある。特に大気汚染、土壌汚染、水質汚染の三つに関する規制を強化する。」と発表した。

中国の大気汚染の改善は進んでおり、PM2.5の濃度が規定値を超えていない都市は2015年に比べ18%減少し目標の15.8%を上回っている。しかしながら上記の計画では大都市における大気汚染基準をクリアした日数が1年間の80%を超えるように設定しており、環境保護局はこの目標を達成するのは困難であるという認識を示した。

事実天津、河南、河北エリアでは大気汚染が基準を超えたため地方政府から製紙メーカーに対し3月9日より運転を停止する様に要請があった。これを受けて同地域の製紙メーカーは古紙の買い付けをストップした為、天津エリアのローカル古紙価格は他地域に比べ高騰はしていない模様。

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