ミャンマーでクーデター非常事態宣言が発令

  ■ ミャンマーでクーデター非常事態宣言が発令

2021年2月1日

ミャンマー国軍は昨年の総選挙で不正があったとして、アウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領を拘束し、政権を掌握した。

ミャンマーは2015年にスーチー氏が総選挙で8割にあたる390議席を獲得して圧勝、政権を獲得、民主化を成功させた。昨年11月の選挙でも前回5年前を上回る議席を獲得して再選をはたしている。しかし軍との関係をめぐっては軍族議員の議席を段階的に減らす憲法改正案を提出し、軍からの反発が強まり関係が緊張化していた。

アウン・サン・スー・チー国家顧問

今回の事件を受け、EU及びアメリカは当クーデターを強く非難し、拘束した人々の開放を求める動きだ。米国は民主主義への直接的な攻撃だとし経済制裁に関する見直しを表明した。

国連安保理も緊急会議に入る予定だが、中国政府はミャンマー軍部との関係が深いことから足並みが揃わない可能性が高い。中国政府は今回の件に関し経過を見守るとし批判を避け、中国メディアも「大規模な内政改造」と報じている。

主要都市のヤンゴンでは一時携帯電話やインターネットが止められATMでお金が出金できないなどの状況に陥った。大きな混乱にはなっていなが、空港は閉鎖され一部の外資系企業では社員の出勤を停止するなどの措置をとっている。市内では軍部支持者が勝利の歌を大音量で流すなど異様な雰囲気になっているという。

ミャンマーでは2019年に中国理文社が再生パルプ工場を建設し稼働を開始した。20年は年間約8万t中国に輸出している。
また日系企業は2016年に王子パッケージング(Oji GS Packaging (Yangon) Co Ltd)が現地に進出している。

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