■ スエズ運河で大型コンテナ船座礁
2021年3月24日
スエズ運河に於いて大型コンテナ船が座礁し機能停止状態に陥った。これによりスエズ運河の周辺では100隻以上の船が立ち往生している。
愛媛海運所有、台湾のEVERGREEN社が運営する本船でパナマ船籍、全長400メートル、総排水量22万㌧で2万TEUの輸送能力をもつ世界最大級のコンテナ船。紅海から地中海に向かう途中で座礁した。
同社の発表によると中国塩田とロッテルダムを結ぶ航路の本船で、座礁の原因は瞬間的な強風との事だ。 河床は岩石ではなく柔らかい砂であるため本船に損傷はなく、満潮時にタグボートで曳航する形になりそうだ。しかしタグボートが7隻以上必要であり、砂であるが故、時間がたつと船底が埋没してしまい曳航できないリスクもある。その場合は解体しないといけなくなるため大きな影響がでてしまう。
スエズ運河庁によると、19年の船種別同運河通航量は、コンテナ船が5375隻で最多。タンカーが5163隻、バルク船が4200隻、この3船種で全体の8割弱を占める。年間1万8000隻超の船舶が航行し、1日の平均航行隻数は約50隻、貨物量は5万5000コンテナに相当する。万が一復旧が遅れればコンテナ船サービスに与える影響は甚大となりそうだ。
船社などからの情報によれば、24日時点でスエズ運河内外で滞船している船は計147隻。このうち紅海入り口付近で72隻、運河途中のグレートビター湖で35隻、地中海に面したポートサイド側で40隻という。
事故後古紙はEOCCなど新規契約を一時的に見合わせ、北米西海岸の古紙サプライヤーも海上運賃の動向を見守りたいとしている。コンテナ不足や海上輸送関連に支障が出る事でさらなる影響拡大がない事を願いたい。