■ マーケットハイライト:古紙・原紙価格上昇 中国では価格一服感も
2021年3月27日
パルプ価格の高騰に加え世界では段ボール需要が活況でアジア・欧州に於いて段原紙が不足し値上がりしている。 古紙の発生減とBREXITによりEU向け英国古紙が停滞した事で欧州古紙は値上がりし、アジア向けオファー価格が急騰した。北米も通販需要により内需は強く、南米からの古紙引き合いも強いという。
3月に入りEOCCの上昇をきっかけに日本のOCC輸出価格も20-30㌦急騰した。現在の相場は円安も相まってCIF TAIWAN $235-245 (CY19.5-20.5/kg) CIF VIETNAM $270-280(CY19.5-20.5/kg) CIF INDNESIA $280-295(CY20.0-20.5/kg)と古紙問屋店頭で国内建値を超える価格もでている。
しかし3月第三週以降、中国では原紙・古紙価格共に若干の価格調整が出ている。 今年は旧正月中労働者が帰省しなかった為、工場の稼働を早めた事で原紙在庫が多く、また古紙輸入禁止によって古紙価格が高くなりすぎる事に対する警戒感がある様だ。段原紙は100-50RMB(8-12㌦)ほど若干価格が下落した。4月には各社大型休転(メンテナンス)を控えており、原紙在庫を調整するものと思われる。
アジアメーカーも急騰する原料価格を段原紙に添加するスピードが追い付かず、古紙価格の上昇に一服感がでている。北米からの海上運賃が上昇した台湾では遅れて若干価格が上昇したものの、アジア全体では価格の踊り場にさしかかり中国の価格軟化を受けて様子見に入っているのではないだろうか。
しかし、古紙在庫水準は極めて低く価格が軟化するとは考えにくい。引き合いは引き続き強い状況だ。また先日発生したスエズ運河の大型コンテナ船座礁事故の今後の影響も気になるところだ。