マーケットハイライト:古紙不足に古紙価格急騰 各国インフレに懸念

  ■ マーケットハイライト:古紙不足に古紙価格急騰 各国インフレに懸念

インドの都市封鎖を発端に一時50㌦程下落した古紙価格だが、6月に入り反転急上昇している。アジアはまもなく青果物など段ボールの需要期に入るが、欧米・日本共に古紙の発生状況は悪く製紙企業の古紙在庫は非常に少ない。

 さらにインドが欧州古紙の古紙調達を再開し、米国コンテナ事情が回復しない事や、古紙の発生が少ない上に国内の古紙需要が強い事から輸出量が減少、日本古紙への引き合いが強まった。特にAOCCを多く買っていた韓国・台湾向けの価格が半月で40-50㌦程急上昇している。

日本国内に於いても古紙の発生が少なく各商社思うように調達できず、競うように価格が上がっている状況だ。現在の古紙相場はJOCC CIF VIETNAM $295-305(CY25.5-26.0/ kg) CIF TAIWAN $275-280 (CY26.5-27.0/kg)、CIF INDNESIA $310-315(CY26.5-27.5/kg)となっている。

しかし各国政府は世界的にインフレ傾向にある事に懸念を示しており、利上げや急上昇している紙パルプ価格にも言及する動きが見られる。5月に上海先物市場も投機的で不合理な価格変動を抑制する方針を打ち出したことでパルプ先物価格が下落、6月から実物価格も下げに転じた。

中国段原紙市場も「6.18」のセール終了後は小康状態となっており、製品価格に天井感がでている為さらなるコスト高を添加できる状況にはない様だ。このままこの古紙価格高騰が継続するかは不透明な状況だ。

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