マーケットハイライト:古紙輸出価格若干軟化 東南アジア感染拡大と都市封鎖影響

  ■ マーケットハイライト:古紙輸出価格若干軟化 東南アジア感染拡大と都市封鎖影響

2021年8月30日

8月に入り東南アジアに於いて新型肺炎の拡大が深刻化、段原紙需要も弱い事から売値ベースの古紙価格は10㌦程度軟化した。価格をけん引していた台湾製紙メーカーの古紙購買意欲が減退した事と、ベトナムでは厳格な都市封鎖が実施されている事も重しとなった。 

アジア各国に於いて物流制限により港湾事情が悪化しており、製造業の稼働率も低く包装需要が弱い。また8月はワクチン接種拡大により欧州の古紙発生が回復傾向にあることや、製紙企業がサマーバケーションに入った事から東南アジア向け古紙オファーが増え、割高感のある日本古紙への引き合いが弱まった。 

台湾製紙企業は港湾の混雑や、大雨による農作物が不作である事、東南アジア向け原紙輸出需要が弱いことで古紙調達を一時様子見する動きを見せている。 

しかし根本的に古紙不足が解消したわけではなく、円貨ベースでは高値が続いているのも確かだ。秋需を前にこれが一時的な高値調整なのかは未だ不透明な状況となっている。

 極端な原紙値上げができる環境ではない事から、今後の古紙価格は古紙消費地であるアジアの感染拡大抑制と原紙需要の回復も重要な要素となるだろう。

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