■ マーケットハイライト:中国原紙在庫過多 輸出古紙市況様子見から軟化へ
2021年4月28日
中国・アジアの原紙、古紙価格の上昇に天井感がでている。旧正月以降急騰した古紙価格は2月末から一か月の間に40~60㌦ほど値上がりした。
昨年の10月頃と比較すると、半年で100~150㌦ほど上昇しほぼ2倍の価格にまで急上昇したことになる。UKP価格も550㌦付近から850㌦を超える価格まで大高騰しており、製紙企業の製造コストは大きく増加した。
コンテナ不足による海上運賃の上昇や、古紙の回収不足、脱プラ需要や中国の古紙輸入禁止、物資不足と世界的金融緩和など様々なインフレ要因が重なり、世界中で通販需要が堅調な事もあって川下のBOX価格も大きく押し上げる結果となった。
しかし古紙及びパルプ、段原紙の価格上昇にブレーキがかかり、古紙価格は軟化を始めている。
要因は3月中旬以降中国の古紙・原紙価格共に軟化した事が発端となった。コンバーターが年末から年明けにかけて大量に購入した輸入原紙が在庫となっている上に、国内製紙側の在庫も過剰となった。
大手製紙各社休転にて在庫調整を行っているが、4月は本来不需要期が故、需給の調整が十分にできず原紙価格が軟化した。
さらにインドでは新型肺炎の感染が再拡大し都市封鎖が再開した事で欧米古紙価格が20-40㌦程度下落、状況は一変様子見から弱含みへと市況が変わった。 東南アジアでは古紙原料不足から大幅な下落とまでは至っていないが、急上昇した価格に調整局面を迎え、すぐに価格が再上昇する状況ではないと思われる。