■ マレーシアの主な税制優遇措置 (外資誘致政策)
- 「パイオニアステータス」
政府が「奨励活動」及び「奨励品目」に指定した事業（＊別表1参照）から得た法人所得（所得総額から基礎控除及び収益的支出等、控除対象を差し引いた課税対総所得）から70％を免税とする。
＊「投資税額控除」との併用適用は不可
- 「投資税額控除」
予め政府により認可された事業に係る資本的支出（設備投資）に関し、その費用が発生した日から5年間の間に発生した投資費用の60%を上限に最大課税対象所得の70%まで控除できる。また、未利用の控除額は翌年以降に繰り越しする事ができる。
自動車産業や特定の国家的・戦略的成長プロジェクト対象事業に対しては投資額の100%において課税 所得全額が控除対象となる。＊「パイオニアステータス」との併用適用は不可
- 「再投資控除」
操業開始から36ヵ月以上が経過しており、かつ既存事業を近代化、自動化するために発生した投資費用の60%を上限に最大課税対象所得の70%まで控除できる。また、未利用の控除額は翌年以降に繰り越しする事ができる。
- 「二重控除制度」
特定の費用においてその実費支払い総額の2倍の損金算入が認められる。
特定の費用： 輸出入海上保険、信用保険の損害保険料、教育訓練費、輸出促進費（海外での広告費、 市場調査費）、研究開発費
- 「プリンシパル・ハブ優遇措置」
一定要件（資本金250万MYR以上、年間売上3億MYR(80億円)以上、マレーシア以外最低3各国で関連事業を展開している、50%以上マレーシア人を雇用している等）を充足する場合、申請によりプリンシパル・ハブ承認を受けることができる。承認を受けた企業は5年間（要件により最長10年）に渡り軽減税率が適用される。（充足要件により10%、5%、0%の三段階）
- 「低開発地域に対する優遇措置」
マレーシア国内の低開発エリア（イスカンダル地域）における出資に於いて一定の要件を満たした場合最大15年間法定所得税が100%免除される。
別表1 「奨励活動」及び「奨励品目」リスト
a. 農業生産 b. 農業生産品の加工 c. ゴム製品の製造 d. パーム油製品及びその 派生製品の製造 f. 化学製品及び石油化学 g 製品の製造 h. 医薬品及び医薬関連製品の製造 i. 木材製品の製造 j. パルプ・紙・板紙の製造 k. ケナフ麻製品の製造 l. 繊維及び繊維製品の製造 m. 粘土製品・砂製品・その他非金属鉱物製品の製造 n. 鉄鋼の製造 o. 非鉄金属及び非鉄金属 p. 機械及び機械部品の製造 q. 製造・サービスの支援 r. 電機製品・電子製品又はその部品の製造 s. 専門・医療・科学・計測用の機器及びその部品の製造 t. プラスチック製品の製造 u. 保護用の設備及び装置の製造 v. その他関連サービス（ロジスティックスサービス、低温流通設備、環境マネジメント、産業デザインサービス等） w. ホテル業及び観光業 x. その他