マレーシア古紙・金属スクラップの輸入検査ガイドラインを発表 保証金と船積前検査の義務化

  ■ マレーシア古紙・金属スクラップの輸入検査ガイドラインを発表 保証金と船積前検査の義務化

2021年3月16日 

マレーシア産業貿易省(MITI)は2月27日、古紙及び金属スクラップにおける輸入及びその検査手順のガイドラインを発表した。 現時点ではまだ案で、業界の意見を公募する形となっているが、全ての古紙輸入が対象で、新聞・上白・段ボールの輸入は輸入許可制となり雑誌は輸入禁止となる旨が盛り込まれている。

輸入はMITIの輸入者登録をしたものに限られ、マレーシア工業標準所(SIRIM)の登録証を取得しかつ、マレーシア投資開発庁(MIDA)の製造業許可を取得しているものあるいは、その関連会社で紙パルプの貿易を行う企業のみが登録申請をすることができる。

輸入者登録は四半期ごとに申請し、その許可数量は製造可能能力を超えない量に限られる。また銀行に保証金を供託し、この供託金は万が一輸入貨物に違反あるいは虚偽の申告が発見された場合に、シップバックする費用に充当されるとのことだ。 さらに運送業者(船会社)にも輸入者がライセンスを保持しているか否かの確認義務が課せられる。

また輸出者側は船積み前の事前検査が必要となる。SIRIMの指定する検査業者による船積み前検査を受け、検査員による目視検査、コンテナごとの写真、サンプリング検査及び有害廃棄物が含まれていないことを証する証明書が必要となる。これらの船積み書類(原本)と製造業許可、SIRIM登録証をもって輸入者はSIRIMへ対し、検査合格証の発行申請(CoA)をする。 

マレーシア到着後はマレーシア港に於いて船中(on Board)検査を受ける必要があり、この船上検査は貨物の総量の5%(例2500tの場合50t)に対しサンプリングと目視検査が行われる。この検査をクリアするとCoAが発行され、積下後検査(off Board)へと進む。積下後検査は船中検査中に選択されたサンプルをもとに行われ、この検査に合格して初めて輸入が許可される。つまり、

①事前(輸入者)登録 ②船積み前検査 ③CoA申請 ④船中検査 ⑤CoA発行 ⑥船卸後検査

というプロセスを踏むこととなる。古紙の品質基準に関する詳細について記載はないが各国の古紙品質基準に準拠するものと思われる。

また検査に掛かる費用は荷主の負担となるようだ。

船積み前検査費用(検査報告書発行費用込み)

その他船積み地で発生する、出張費・高速代・宿泊費は別途請求(海上輸送)
その他発生する費用 0.8RM/km(陸上輸送)

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