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マレーシア 広がる環境汚染と廃棄物原料輸入規制

  ■ マレーシア 広がる環境汚染と廃棄物原料輸入規制)

2018年9月28日

 8月の末から9月上旬にかけてマレーシアへ出張に行ってきた。直接古紙の仕事というわけではなかったのだが、やはりこの国でも中国の廃棄物原料の輸入禁止に伴い廃棄物の輸入が増加社会問題となっている様だ。

原油も取れ、天然ゴム、木材、パーム油等の資源が豊かなこの国は東南アジアの新興国の中では比較的豊かな国だ。33.1万k㎡の国土に(日本の9割程度)人口は3200万人ほどが暮らすこの国は華僑、マレー人、その他東南アジアからの出稼ぎ、遠くは中東からも労働者が流入しており、宗教もイスラム61.3%、仏教19.8%、キリスト教9.2%、ヒンズー教6.3%と多文化国家でもある。 政治面では今年5月にナジブ政権からマハティール政権に交代し前政権の汚職問題、財政悪化を立て直すべく動いている。

マレーシアと言えば日本から多くの古着が輸出されているが、急に特定港のみ関税が課せられたり、外国人労働者を一定数雇用することを義務化したりと急な政策や法律の変更が多い国で、地方行政と中央政府の疎通がとれておらず、政治的不安要素も大きい。

7月24日マレーシアの住宅・地方自治省は、廃プラの輸入による環境汚染を防止するため廃プラ輸入を行う114の企業および工場に対して発行した輸入許可書を、7月23日から3カ月間停止すると発表した。輸入許可は、新基準に基づいて再申請が必要になる見込み。 廃プラ輸入許可は、2015年2月から住宅・地方自治省傘下の国家固形廃棄物管理局(NSWMD)が発行し有効期限は1年間で、船積みごとに申請する必要がある。

マレーシア統計局によると、2018年1~4月における廃プラスチックの輸入額は9,024万ドルで前年同期比73.3%増加した。米国からが1,650万ドルと最も多く8.9倍に増えている。次いで、英国が1,094万ドル(3.0倍)、日本が1,074万ドル(3.8倍)と続いた。 2017年末から中国で施行された廃プラスチックを含む固形廃棄物の輸入禁止を受けマレー向け輸出が急増したものとみられる。今回の措置は廃プラスチックのみを対象としているが、環境汚染についての報道や他国における規制強化が発端となった。他の固形廃棄物に関しても同様、突然に規制が変更される可能性がある。 2017年末には新環境保護法の策定が発表されるなど、マレーシア国内では環境への関心が高まっており、法規制の改正の動きがあるのではないだろうか。

マレーシア国別廃プラ輸入量

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