マレーシア 売上税・サービス税SST（Sales Service Tax）導入

2018年9月28日

マレーシア政府は兼ねてより政権公約に掲げていた物品・サービス税（GST）に代わる間接税として、売上税・サービス税（SST）を9月1日より導入した。　GSTの撤廃とSSTの導入は、　前政権の負の遺産である財政赤字と国民の生活費を軽減する目的として、マハティール新政権が掲げた「政権交代後100日で取り組む10の公約」の1つ。　

基本税率は当初計画どおり、GSTと同じ売上税が10％、サービス税が6％とりGSTの免税対象が545品目だったのに対し、SSTは5,443品目に大幅拡大される。

SSTは売上税というより実質は輸入品に課せられ、輸入関税と同じ仕組みで税関によって徴収される。　

輸入税による一段階課税のため、二重課税を防ぐための免税措置が多数設けられており、製造業者間の取引、自由貿易地域（FZ）などに立地する企業間取引などが対象で消費税とは異なる仕組みとなっている。

以前のGSTは輸出すれば再輸出の還付が受けられたが、今回のSSTに還付制度があるかどうかはまだ明確にはなっていない。　

法律で売上税の免税となる物品・取引、サービス税の課税対象となるサービスなどが定められており、政府のHPで閲覧することができる。年間の売上高が50万リンギット（約1,350万円、1リンギット＝約27円）以上の事業者が、SST課税事業者として登録する必要がある。

新しいSSTでは、納付遅延にかかるペナルティーが未払い税額に対して40％（最大時）と厳格化されており、未だ法案に不明確な部分も多いが対象業者は一旦法律に従い納税している業者が多い様だ。しかし再輸出の還付に関する質問等、当局に問い合わせしても一切回答がないのだという。　一部の業者ではSSTを支払わず貨物の引き取りを拒否している企業もあるとの話だ。

マレーシア向け一般貨物の輸出もそうだが、マレーシアにも製紙メーカーが数社あり古紙を輸入している。2020年の中国こし輸入禁止に向け今後マレーでの古紙販売も開発したいが、上記の方針は足枷になりかねない状況となっている。