■ マレーシア 古紙船積み前検査実施を2ヶ月延長
2021年10月25日
マレーシア政府は古紙輸入に係るライセンス登録制と船積み前検査の実施を検討しており、その実施要項の説明と有識者意見交換会を行ってきた。マレーシア政府の実施した説明会では検査の実施は今年11月1日より開始するとされていた。しかし実施は2ヶ月ほど延期される見通しだ。
新規制は輸入者登録や船積み前検査、デポジットの供託など手続きが煩雑で、さらに段ボールと上質古紙は輸入が認められるが、MIX古紙は輸入禁止とされる見通しとなっている。 輸入者登録の内容によっては船積み前検査の他にマレーシア側でも関係省庁の検査が実施される予定となっており、複雑な各種手続きと法案の周知が間に合っていない様だ。
これまでマレーシアは古紙に関する主だった規制はなく、中華系製紙企業の進出も誘致してきた。今後も玖龍社を始め400万㌧以上の新工場の建設が予定されている。マレーシアの規制強化は同国へ進出を進める中華系企業にとって「寝耳に水」だったのではないだろうか。増産により同国の古紙輸入需要は増加するが、MIX古紙が規制されるとさらにAOCCへの依存が高くなると予想される。
2020年のマレーシアの古紙輸入量は107.4万㌧でUKOCCが31%、AOCCは24%だった。日本からの輸入量は市場の6%に留まっている。