■ 海運大手MAERSK 北米航路を休止 需要回復せず
2023年3月16日
デンマークに本社を置く世界最大規模の海運会社MAERSKはアジアと北米主要コンテナ港を結ぶ配船サービス(TP20)の運航を休止する事を発表した。インフレによる米消費低迷と米中貿易摩擦による中国からの輸出減少が影響した。TP20は同社が21年6月に北北米航路の本船不足を補填するために始めた週次の定期便で、一輸送あたり4600TEUを運搬する。インドネシアのジャカルタ港からベトナムのブンタウ、中国の上海、寧波、韓国の釜山を経由し、北米東海岸のニューヨークまでを往復する。 北米航路の減便、休止を発表する海運業者はMAERSK以外にも複数社あり、荷量減少が船会社の採算に大きく影響している。
一方で中国造船企業の滬東中華造船は、地中海シッピング(MSC)向けに製造した世界最大級のコンテナ船を建造、引き渡しした事を発表した。この本船はMSC TESSAと命名され2万4116TEUを積載できる。前長399.99メートル、全幅61.5メートルで22階建てのビルに相当する。文字通り世界最大級の大きさで甲板の面積はサッカー場4面の大きさだ。
海運業界が過去最高益をたたき出した2021年から大きく変わり、現在の海運業界は収益低迷に苦しんでいる。 今後当時発注された新造船が順次竣工する事となり、さらに運搬能力は過剰となる。船会社の倒産も懸念される。