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年末に向け東南アジアメーカー様子見、価格軟化もコンテナ不足で極端な値崩れは見られない

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  ■ 年末に向け東南アジアメーカー様子見、価格軟化もコンテナ不足で極端な値崩れは見られない

2020年9月20日

 9月17日に12回目(第4四半期)の古紙輸入ライセンスが発行された。発行数量は71万850㌧で本年の発行総量は665万4,010㌧となった。第4四半期は80万㌧ほど発行されるとみられていたが、今回大手3社(玖龍社、理文社、山鷹社)が53万9千㌧、約76%を占めており、中小企業向けのとして10万㌧ほど近日中に追加発行されるものとみられている。

 ライセンスの発行により古紙価格が上振れするのではという予測もあったが、思いのほか古紙価格は安定、緩やかに軟化傾向にある。

欧米からの中国向け船足は45~60日掛かる為、ライセンスの発行を見越し中華系製紙はある程度古紙の先買いを済ませている様子だ。また一部の船会社が9月1日以降到着の中国向け古紙の船積みを停止したことにより、船足の長い欧州古紙は東南アジア向けに流れ価格が軟化した。

東南アジアメーカーも中国製紙の古紙買付が一巡すれば古紙価格は下がる可能性があるとみており、様子見に入りつつある。先進国において古紙の発生・回収が芳しくない背景から一定量は定期購入するとみられるが、古紙在庫を低めに抑えその価格動向を見極めるものと思われる。

しかし直近のコンテナ不足や欧米での回収問題、さらにはこれからクリスマス・秋需に入る事からすぐに大きな価格下落は起きないだろう。契約した欧米古紙の船着状況が悪ければ若干の上振れはあるかもしれない。その後中国企業が古紙買付を止める11月末以降に価格がもう一段階の軟化する事は起こりうると見ている。

現在の価格は一部商社の契約残から若干の高値を引きずっているもののJOCC CIF VIETNAM $170-175(CY \15.3-\15.7)CIF CHINA $170-175(CY \15.5-16.0)付近で推移している。

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