■ マーケットハイライト:第四四半期のライセンスは予想より少なめ、11月よりLCC導入と不安材料も多い
2019年10月30日
昨月より再度古紙の輸出価格が下落を始め、現在の価格はJOCC CIF東南アジア$90-100㌦(CY6.5-7.0)、台湾向け$80-85㌦前後で取引されている。
6月末につけたJOCC CIF $85㌦(CY7.5-8.0)を境に輸出価格は反転、各国の回収コスト分岐点である$110-120㌦付近まで回復した。 しかし米中貿易摩擦のあおりで輸出や投資が落ち込み、中国の経済成長率はリーマンショック以来の6.0%と低成長となった。
‘18年6.3%あった東南アジアの経済成長も19年~21年は5%台に下がるとの予測となっており、需要が弱すぎる事から今回円貨でその底値を割り込む水準まで下落している。
10月17日に第4四半期の輸入ライセンスが40万t交付され、今年の交付総量は1,072万tとなった。 年始当初第4四半期の交付量は100万tになるだろうとの予測があったが、予測よりも少ない数量の発行であった。
中華系製紙メーカーは限られたライセンスをAOCCの購入に充てていると見られる。 日本国内も製品販売不調から各製紙メーカー10月も引き続き受け入れ数量のカットを行っており、今年は旧正月が1月中旬-下旬と例年より早い為輸出需要は鈍化し年末年始さらに古紙需給が悪化する事が予想される。
年末に向け古紙在庫を何とかはきたい古紙問屋の輸出オファーは非常に強く、すでに11月~12月分の出荷依頼が来ているが、11月よりLSS等の海上運賃サーチャージの値上がりにより海上運賃が上昇、先安観と在庫過多によって購買意欲の弱まった海外メーカーとの交渉に苦戦している。