輸出古紙市況:大手優遇のライセンス交付、古紙価格反転上昇

  ■ 輸出古紙市況:大手優遇のライセンス交付、古紙価格反転上昇

2018年4月27日

 4月16日に10回目のライセンス更新発表があった。今年に入って交付されたライセンスの総量は944万3,078tとなった。10回目の発表は64万9,642tで8回目、9回目に比べ少ない数量だが、玖龍社333,361t、理文社197,824t、二社で82%を占め変わらず大手優遇の更新結果となった。

山東省及び浙江省でアメリアや韓国の古紙が相次いでシップバックになったことや、200ドル越えしている#12(DSOCC)への割高感から日本品へのオファーも出始めている。一時店頭15円を割っていた輸出価格も中国向けOCC CIF$180-190ドル(CY 17.0-17.5円/kg)付近まで上昇し一部中国大手製紙メーカーがCY18円ほどつけているという話もでている。しかし、限定的な高値で問屋により価格の強弱をつけている様でこの某大手製紙の見積価格も問屋ごとでバラつきがある。

関東圏ではドレーの確保が難しく成約したのはいいものの運送の手配がままならない。古紙問屋の在庫キャパの現状はかなり厳しく一刻も早い出荷を要求されるが、運送が確保できないあるいは当日キャンセルされる等のトラブルも多く、無理に運送を予約すれば倍近い運賃を請求され各商社頭を悩ませている。運送会社からの運賃改定の知らせや古紙をお断りする連絡も相次ぎ、関東圏からの輸出向け古紙の買い付けを敬遠する商社も見受けられる。

4月は突然の運賃値上げ等、成約後のコスト変更は商社が負担せざるを得なかったが、今後は古紙仕入れ価格に転嫁せざるを得ない。また運送を取れない場合のリスクから買い付けは比較的コンテナの取りやすい中部、関西へシフトしているようだ。

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