■ マーケットハイライト:中国製紙メーカー古紙購入開始か。国内問屋在庫は重め
2018年4月27日
中国のライセンス更新は10回目が発表され、本年度の輸入枠交付量は総量で944万トンとなった。関東輸出組合は不調に終わったが輸出向け価格は若干回復傾向にあり中国バイヤーが値段をつけて購入を始めている。
しかし中国向けと東南アジア向けで価格のギャップがある上、中国系製紙メーカーやバイヤーも数量及び品質面を考慮し古紙問屋に提示する価格に強弱をつけている。国内向けは荷止めや数量カットもあり古紙問屋ごとに販売価格と在庫量に差が出てきてはいるが、総じてどの古紙問屋も在庫過剰な状況だ。
さらにドレーや海上運賃の急激な値上がり、運賃はさておき古紙の運搬そのものをお断りする業者も増えてきている。各商社も運送手段の確保に苦戦し、特に関東圏での成約を敬遠せざるを得ない状況で輸出は回復しつつあるものの首都圏ほど依然古紙在庫過多の状況は続いている。
毎年日本の古紙は2割ほど輸出されてきたが、今年は中国の輸入規制問題と物流問題の双方から厳しい状況がつづいている。
ここにきて輸出は若干回復気味、アメリカや韓国、直近ではオーストラリアからの古紙が中国でシップバックになっており品質リスクあること、品質リスクのない#12(DSOCC)や#13(DLK)等高品質の古紙価格が高騰していることから、日本品を買うという選択をしているメーカーも出てきている。左記の理由から中国国内の慢性的な古紙不足も手伝い日本品のドルベースCIF販売価格は少しずつ上がり始めてはいるが、各商社急激な運賃値上がりを買付け価格に転嫁せざるを得ず、円貨の購入価格はドル価ほど上がっていない状況だ。