■ International Paper社(米) ロシアIlim社の株式売却を検討
2022年3月12日
多くの製紙企業がロシアでの活動停止や撤退を決断する中で米最大手製紙企業であるインターナショナル・ペーパー(IP)は同社の保有するロシア製紙企業Ilim社の株式を売却する事を検討する事を発表した。
Ilimグループは、ロシア市場に於いてパルプの75%、段ボール20%、印刷用紙の10%を生産し、年間生産量は360万㌧で従業員17,000人を雇用している。
IP社は1995年にロシアでのビジネスに参入、1998年にフィンランドとの国境に近いスヴェトゴルスク(レニングラード地方)に於いて築125年の製紙工場を購入した。同工場は現在も印刷情報用紙、段原紙及び熱機械パルプを生産し、1500人を雇用している。同社はさらに2007年、ロシア最大手製紙企業であるIlim社の発行済み株式の50%を6億5000万㌦で購入、残りの半分はグループの取締役会長である起業家(Zakhar Smushkin)ザカール・スムシュキン家が継続して保有している。合弁事業の目的は長期投資による生産開発で、IP社は10年間で32億㌦を投資してきた。
IP社はロシアのウクライナ侵攻にあたりIlim社の株式を売却する方針で検討に入ったが、Ilim社に対し、業務停止や事業の撤退を指図する意図はないという。またIP社の関連企業であるSylvamo社が発表していた、ロシアSvetogorsk工場の近代化改修工事も延期される。