■ 国際物流混乱 各地でスト ウクライナ戦争も絡み欧州ではドライバー不足も
急激なインフレによる物価上昇に直面し、世界各国の港湾労働者が賃上げストライキを実施し、国際物流の先行き不透明感が増している。 北米西海岸では3月以降各港で度々賃上げストが実施され、港湾の荷役に問題が出ている上に、6月にはドイツハンブルク港、ベルギーのアントワープ・ブルージュ港でもストライキが発生。イギリスに於いても8月大規模な港湾・物流(鉄道)ストが行われた事で、北欧州のハブ港では混雑が深刻化している。 また、輸送が中断されたロシア向け貨物の滞留により倉庫スペースが圧迫されている事に加え、ウクライナ人ドライバーの帰国でドライバーが不足し欧州陸路のも十分に機能していないという。
さらに対ロシアの経済制裁により、EU(欧州連合)・英国税関当局が貨物検査を厳格化したことで欧州CYではコンテナが溢れかえり、欧州航路は入出港の遅延や航海日数も増えている。 一方で船会社は世界的消費減退による荷量減少と、運賃下落を防ぐためコンテナ船の減便を行っている。抜港や航路の変更など度重なる変更に港湾作業は対応に追われている上に、本船がスケジュール通り入港しない事で、シンガポールなどのアジアのハブ港も混雑が常態化している。 新型肺炎による港湾混雑とコンテナ不足は、米国の感染が落ち着いた事や荷量の減少によって一旦解決したかのように見えたが、また別の形で懸念材料が現れ、物流問題再燃しつつある様だ。