■ マーケットハイライト:インドネシア古紙輸入再開 価格反転
2019年1月24日
旧正月明け船着分の輸出古紙価格が若干反発した。 反発の理由はインドネシアが古紙輸入を再開した事が大きな要因だが、その他の環境要因も昨年の6月と似ている。
古紙価格が過剰に下がりすぎた為各国からの輸出量が減少、そこへ原紙販売状況の好転が重なった事も古紙価格の上昇を助けた。 古紙価格反転の要因を具体的に挙げると
①中国にて第1四半期の輸入ライセンスが発給
②再生パルプの輸入関税が増税されたが、代わりに段ボール原紙が減税
③米中貿易協議が第一段階で合意に至ったことにより原紙需要が回復し始めており、ベトナムや台湾を始め東南アジアの製紙メーカーへ中国向け原紙の発注が増加
④インドネシアへの古紙輸出が再開したことが考えられる。
現在の輸出相場は向け地によってばらつきがあるものの、おおよそCY7.0~8.0/kg程、商社によってはCY 8.5/kg以上も出ている様で年末に比べ1~2/kg反発した形となっている。
しかし昨年も一時的な価格反発の後再度下落しており、現在の状況は中東情勢の緊迫化と第二弾の米中貿易協議が控えている中、昨年米中両国の課した関税率の殆どが据え置きとなっているため景気の上振れにはまだ予断を許さない状況だ。
また旧正月直前に中華系メーカーは古紙購入を鈍化させ始めていた事から旧正月明けに再開される価格交渉が上げ下げどちらに振れるかは若干不透明な部分がある。 昨年末下がりすぎた古紙価格と好要因が重なった事から各国の古紙サプライヤーからの古紙値上げ圧力は高まっているが、今年も景気動向と原紙需給や古紙の回収コストと輸出価格のバランス、メーカーの購買意欲によって価格は上下し、その適正価格を探る動きとなるのではないだろうか。