■ アジア市況:インドネシア深刻な古紙不足で原料操短、コンテナ不足も影響
2020年2月
正月明けの古紙輸出価格は緩やかに上昇を続けており、現在の相場はOCC ベトナム CIF $105~110 (CY8.5-9.0) タイ $95-100 台湾 CIF $93-95 (CY8.0-8.5)で推移している。 直近では中華系メーカーによってCY9.5以上の価格もだされており、新型肺炎の影響で古紙不足が発生し価格が強含んでいる傾向もみられる。
旧正月前から価格の牽引役はベトナムやインドネシアを初めとする東南アジアメーカーからの古紙引き合いだが、昨年12月より古紙輸入を再開したインドネシアにおいて法規制が二転三転した混乱により古紙不足が続いており、相場より高い価格で購入していることが一番の価格維持要因となっている。
インドネシア製紙パルプ業者協会は古紙不足により3月には稼働率が65~50%に低下する恐れがあると予測している。 しかしイスラム教のラマダン(断食)が今年は4月23日から控えており4月初旬までに到着させる為には船足の長いAO CCやEOCCは3月初旬が船積みリミットとなるだろう。
旧正月明けにEOCCの価格帯が上昇した理由の一つには欧州からの東南アジア向け航路は今年旧正月が西暦と近かったこともあり30~40%の運航カットとなっていた矢先、中国からの帰り便が滞ったことにより空コンテナが不足、コンテナ当たり300㌦の海上運賃値上げが打診されている事が影響している。 EOCCに価格が競合するJOCCも年末年始に在庫を吐いた古紙問屋の在庫レベルは下がっており、消費低迷による発生減と輸出価格が底を打ち先高観がある事から出荷を鈍らせていることも価格が崩れるのを食い止める要因となった。
AOCC#12及び#13DLKの価格が上昇した背景には、中国二大メーカーである玖龍紙業と理文社が再生パルプ製造の為AOCCを高値にて買付していることも関係している様だ。 すでにベトナムのホーチミンやマレーシアのポートケランでは通関待ちのAOCCコンテナが大量に陸揚げされており、マレーシアにて両社立ち上げた再生パルプマシンの製造キャパシティは82万tにも及ぶ。