■ インド 輸入紙監視システム(PIMS)導入 アンチダンピングと国内製紙産業の発展を支援
2023年3月11日
インド政府は昨年10月以降、貿易総局The Directorate General of Foreign Trade(DGFT)主導のもと、PIMS制度を導入した。このシステムは紙の輸入業者は輸入貨物の到着前75日から5日までの間にオンラインで事前情報を登録し、登録番号を取得、その番号が無ければ輸入が許可されない仕組みになっている。登録番号は75日間有効で、事前登録した数量のみ輸入が許可さらえる。このシステムは再輸出を目的とした免税輸入にも適用される。一方で、通貨用の紙、小切手、セキュリティ用紙などは適用除外となっている。
これにより税関当局は不正に安く輸入される紙製品を監視し、ダンピングや関税逃れ、誤申告を防止する目的としている。
インドは「Make in India」と「Atmanirbhar」(自立したインドキャンペーン)政策を打ち出しており、PIMSも安価な輸入紙を監視し国内の製紙産業の発展を補助する事も目的としている。同国は2018年以降二級紙の輸入を禁止し、複数の紙に対しアンチダンピング関税を課した。それにより紙の輸入量は年間299万㌧から175万㌧にまで減少し、国内製紙の大幅な増産を後押ししている。