■ インド国内古紙価格急落 欧州古紙輸出再開とウクライナ侵攻、中国都市封鎖で需給悪化
ウクライナ戦争や中国の都市封鎖など複数要因によってインド国内の包装需要が減退した。 国内段原紙価格は大きく値崩れしていないが、需要家の購買意欲は弱まっている。製紙企業や卸商の原紙在庫も増加した。
段原紙需要の減退に伴い常にタイトな状況にあったインドの古紙需給が緩んだことで、国内の古紙価格も急速に下落している。 4月以降段古紙価格は㌔あたり12~13ルピー(20~22円前後)軟化し、この1週間で4ルピー(6.8円)の値崩れを起こしている。現在のインド北方地方の段古紙価格は21ルピー(35.7円)まで下落しており、先安観から買い控えも起きている様だ。 一時米国DSOCCに対しCIF 380㌦以上(当時の為替で43.7円)前後を付けていた輸入古紙も、欧州古紙の輸入再開により現在は330~350㌦でのトレードとなっており、欧州古紙は300㌦を下回る水準となっている。
ウクライナ戦争による、欧州やロシアとの貿易量の縮小、中国の都市封鎖と景気減退による段原紙、再生パルプの引き合い軟化、欧州古紙の輸入再開など複数要因によって、インドの古紙価格は短期的にさらに軟化する可能性が高い。