インド製紙業界で広がる中国への段原紙輸出再開期待 ローカル古紙・原紙価格上昇

  ■ インド製紙業界で広がる中国への段原紙輸出再開 ローカル古紙・原紙価格上昇

2023年2月11日

インドでは中国政府がゼロコロナ方針の転換や関税の撤廃を決定した事で、再度中国からの段原紙引き合いが来るのではないかとの期待感が出ている。 

中国向けインド原紙の輸出は東南アジア全体の段原紙価格の軟化や、原燃料価格の上昇を受け、2022年4月以降完全に停止していた。 国内販売価格と輸出価格の逆転現象により、インド製紙企業は不採算から輸出を見合わせ、中国のコンバーターも品質や価格面からインド原紙を買う意義がなかった。

しかし、中国の経済回復と段ボール原紙に掛かる5~6%の関税が撤廃された事で、中国向けの輸出が再開されるのではないかとの期待感がアジア全体に広がり、古紙価格も数十ドルほど上昇している。 現在の中国向け再生パルプ価格はAOCCベースでCIF CHINA $340㌦前後と低位安定しており、一部スポットで$350-360㌦も見受けられるものの、まだ値上がりしていないが、東南アジア再生パルプ工場は中国向け生産を再増加させるべく、古紙の買い付け量を増やし始めている。 

この期待感はインドに於いても広がっている。 ローカル古紙は1月中旬以降20日間で2.5₹/kg(約4円)上昇し、段原紙価格も1月末に3-4₹/kgの値上げが複数回に分けてアナウンスされた。特に北インド地方やwestern Uttar Pradesh とUttarakhand地域に於いて値上げの動きは堅調だという。

現在のインドローカル古紙価格は地域によって17~20.5₹/kg(27~32円)と輸入古紙よりかなり高い価格帯になっている。EOCC価格も数週間前と比べ15~20㌦前後値上がりしたが、欧州では引き続きインフレによる消費減退で古紙需要は弱く、AOCCほど価格が上がっていないのも事実だ。インド国内の原紙、古紙価格の上昇は中国への期待感から少々過熱気味の価格帯へと入ってきている。

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