■ インド 古紙の輸入関税を2.5%に増税
2022年2月5日
インド政府は製紙原料として輸入される古紙に対して2.5%の関税を課すことを決定した。2月2日よりHSCODE4707に分類される古紙の基本税率が0%から2.5%に増税される。
従来、製紙企業の直接輸入する古紙に関税は賦課されていなかったが、古紙輸入量の増加に伴い関税を徴収する事が決定された。商社などの輸入する古紙に係る10%の関税は従来通り継続される。
インド古紙輸入商組合(IRPTA)は、現在インドの国内古紙回収率は40%を下回っており、古紙原料の調達は輸入に依存している。世界的古紙不足の中、輸入古紙価格はすでに高騰し製紙企業にとって大きな負担となっている。今回の課税措置によって製紙企業の製造コストはさらに増加し、原紙価格の上昇につながるだろう。 1㌧あたり500~1000ルピーの輸入コスト増は国内古紙価格をさらに押し上げる結果になる。包装材として利用される板紙の値上がりは幅広い業界に影響を及ぼし、昨今のインフレを助長するものだと警鐘を鳴らした。
近年インドでは経済発展による内需の拡大で深刻な紙不足に陥っている。また2017年にGST税制が導入された事で、税金の仕入れ税額控除が認められるようになった。それまでは州税が適用され、州をまたぎ内陸まで物品を運ぶと多重に課税されるため長距離物流が発達しなかった。17年以降長距離物流が活発になった事で包装需要は拡大、昨今の通販需要も紙消費を後押ししている。
アジア各国が品質の悪い未選別古紙の輸入に規制を設ける中、インドは古紙に対する輸入規制を行っていない。20年のインド古紙輸入量は600万㌧に達し、21年は米国からのMIX(未選別古紙)の輸入量が前年度比2倍となった。