■ 欧州古紙インド向け輸出再開、中国都市封鎖による段原紙需要減と再生パルプシップバックで古紙価格軟化
2022年4月11日
昨年末より、事務手続き上のミスにより停止されていた欧州からインド向けの古紙輸出が4月から再開された事で、インドバイヤーは米国及び英国古紙の購入価格を引き下げた。この一時300㌦後半をつけていたインド向けDSOCC価格も約30-20㌦下がり330-350㌦レンジへと軟化、UKOCCは40-50㌦下落し300㌦を割る水準となった。
中国の都市封鎖による需要後退で東南アジアから中国向けの段原紙販売が停滞。中国向け輸出に依存した東南アジアメーカーは休転を余儀なくされた。 特に台湾、ベトナムの製紙企業の古紙購買意欲が弱まり、JOCC価格も15~20㌦前後軟化している。マレーシアの中華系製紙企業も同様だ。年末より乾式古紙パルプが中国側税関で輸入許可が得られずシップバックされる案件が多発した。 原紙需要の減退に加え、シップバックリスクから東南アジアの古紙パルプ工場は生産を一時見合わせている為、古紙の購買意欲も著しく弱まった。またインドネシアもラマダンに入り動きが弱い状況にある。
現在のJOCC相場はCIF VIETNAM $280-285、CIF TAIWAN $240-245前後でのオファーとなっており、船着も5月以降での到着条件となっている。 直近の日本国内古紙相場は商社の契約残と円安効果によって高止まりしているが、確実に今の売価では合わない水準になっており、下落トレンドとなる事は間違いないと思われる。