■ インド古紙購入再開 印刷物向け古紙不足と物流問題で苦戦
2021年11月27日
インドでは今年の夏の爆発的な感染拡大による都市封鎖で、企業活動や学校、物流が制限された。1日の感染者数は4万人を超え、毎日400人以上がなくなるという状況であったが、この数か月は徐々に制限が解除され、工場も稼働を始めている。経済活動再開によって印刷用紙向けのONPやSOP、段原紙向けのMIX古紙需要も徐々に戻りつつあるという。
現在の新規感染者数は1万人/日を超え、200人近くの方が毎日亡くなっているため、未だ都市封鎖を完全に解除できる状況ではないが、一時に比べると状況は改善しつつある。 決して強い需要ではないが、新聞古紙の発生減を補う代替えとしてAMIX古紙や、OMGを購入するようになっている。上物古紙の不足はアジア各国で同様の状況がみられ、韓国製紙企業は日本の雑誌、新聞、シュレッダーなどに高値を付け購入する様になっている。
またインドの段ボール製紙企業も昨今の都市封鎖によって古紙在庫が底をついており、中東向けの段原紙輸出も再開したことから、段古紙の購入量も増やし始めている。
しかしインドの製紙企業もまた原燃料価格の上昇と、コンテナ不足や国内輸送手段の確保に苦戦しているという。トラック輸送価格は急高騰しさらに需要がひっ迫している。価格だけでなく、輸送手段そのものを確保できず本船が到着しても国内輸送ができないケースが増えている。インドの製紙企業は鉄道での古紙輸送を検討し始めていると地元メディアで報じられている。