■ 世界の段原紙増産情報
2021年2月28日
インドSouth India paper はNanjangud工場で予定していた新マシンの稼働を翌月に遅らせる事を発表した。同社は既存3つの板紙マシン(45㌧/日 (1.83m 幅), 50 ㌧/日 (2.55m 幅) 115 ㌧/日 (2.88m 幅))でライナー・中芯・白ライナーを製造しており、新マシンの稼働により生産量は倍になる予定だ。新マシンの稼働は当初20年中旬を予定していたが、新型肺炎の流行により労働者の短縮と必要部品の到着が遅れており、工期の延長を余儀なくされている。
スウェーデンのMetsä Board社はHusum工場のBM1号機を改造し生産能力の向上を計る事を発表した。BM1はValmet製で16年に稼働を開始し、180-350g/㎡のFBB(食品用高板)マシン幅7250mm、抄速1000m/分、年産40万tのマシンとなっている。同工場の総生産キャパは200万t年で40万tのFBB、25万tの白ライナー73万tの晒しパルプを製造している。今回の改造により生産能力は約20万㌧向上し、23年の稼働開始を目指す。工事にはボイラーとパルプラインの強化も含まれており、21年の後半には政府の環境許可が取得できる見通しだ。
英国のMONDI社はチェコ工場にて6,700万ユーロを投資し、年産30万tの段ボール原紙マシンをクラフト紙に転抄した。クラフト紙で2層抄きで古紙を配合する事ができ、年産13万tの製造となる予定だ。マシン幅は4400mm、坪量70-135g/㎡の厚物クラフトを製造しバージンの食費用途と古紙配合のショッピングバッグを製造し、昨今の脱プラスチック需要に対応する。マシン改造前は総生産量50万tでMGクラフト、段原紙、パルプを製造していた。
ストラエンソ社(Stora Enso)は3憶5千万ユーロを投じ、フィンランドoulu工場のコート紙マシン(PM7)をKLBマシンへ改造する。生産能力は45万tとなる見込みだ。すでに1月からパルプマシンが稼働を開始しておりドライUKP年間53万tの製造能力がある。うち13万tを外販し、残りは新設のKLBの原料とする予定だ。19年5月から工事に着工し、KLBマシンは21年末に稼働予定となっている。
Stora Enso社 oulu工場
ロシアのJSC Yarpaper社はモスクワ近郊のヤロスラヴリ工場に於いて大規模な改造に成功した。今回再建されたPM1は抄紙幅2,830mm、90~175g/㎡の中芯及びテストライナー併抄マシンとなっている。同社は2003年に創業を開始し、年間7万tの段原紙を製造していた。今回の改造により効率化され抄紙坪量範囲の拡大と生産量の大幅アップとなる。
2020年、ロシアの包装紙生産量は大きく増加し、クラフトライナー は前年比26.6%、中芯10.9%、段ボールケースは3.2%増加した。また、段原紙の輸出量も40%ほど増加している。
サンペーパー(ラオス)は1月10日2号機であるライナーマシンを稼働させた。抄紙幅6600mm 1200m/分、坪量100-160g/㎡、年産48万tマシンで、予定より18日早く稼働した。1号機(高強度ライナー6600mm ・1200m/分・坪量140-250g㎡・年産52万t)は昨年11月末一足先に稼働を開始している。