世界の段原紙増産情報(中国)

  ■ 世界の段原紙増産情報

2021年2月27日

 中国

山鷹国際は肇慶市に建設予定のKライナーマシン2号機(PM53)の詳細を発表した。Valmet製で紙幅9.3m 抄紙1200m/分 50万t/年で2022年第一四半期の稼働を予定している。同工場の1号機は65万tマシンで9.3m 抄紙1200m/分で2021年末に稼働予定となっている。

サンペーパーラオス工場のマシンもそうだが同規模のマシンを2機注文する事が多い様だ。マシンの導入費用も抑えられ、部品の共有により維持コストを削減できる。正隆の1号機2号機もそうだが、同規模のマシンを2機導入する事は珍しくない。このマシンが稼働すれば同社の総生産量は665万tとなり理文社を抜き2位となる。

理文社は防城港市に32億元を投じ年産620万tの工場を建設することを発表した。第一工期は120万tの化学パルプを含む100万tのCMP、40万tの機械パルプ(SMP)、60万tのティッシュ、160万tのアイボリーボード、30万tのクラフトライナーの予定となっている。第二工期は55万tのティッシュ、60万tのクラフトライナー。理文社は中国で634万㌧の生産能力を持っており、そのほとんどは段ボール原紙の製造となっている。

ティッシュの製造能力は97万2千㌧に限られるが(全てバージン)理文社が保有する中国国内のパルプ工場は18万㌧の竹パルプ工場を含む58万㌧のみだった。

玖龍社は中国国内に485万tのパルプ工場を建設予定しており、山鷹国際は40万tのSCPと60万tのBSKマシンを吉林省の工場に建設し100万t規模のパルプ供給体制を整える。

安山永安包装工業(Anshan Yongan Packaging industrial) が遼寧省安山市の工場に年産15万tの強化芯とテストライナーの併抄マシンを稼働した。抄紙4.2m、抄速750m/分と小ぶりのマシンだが、同社はカード紙15万t、感熱紙や転写紙、アルミ缶やペットボトル事業などを手掛け、段ボール工場も保有する一貫企業だ。コカ・コーラや青島ビールなどの飲料関係の包装資材を専門に取り扱う。

また、中国では中小企業の増産計画も多数発表されている。2021年で440万t以上の増産が計画されている。

中国中小企業の増産計画
 玖龍社 大増産計画を発表

中国最大手製紙メーカーである玖龍社は2月22日、2023年までにパルプ・製紙設備を1,107万㌧増産する事業計画書を正式に発表した。 この増産により同社の生産能力は2,949万㌧となる。事業計画の内訳は木材パルプ312万㌧、再生パルプ60万㌧、木材繊維110万㌧、原紙625万㌧となっており、その殆どが中国国内での増産となっている。

2021.6.20 追記

オーストリアのAndritz社よりAPMPライン(34万㌧/23万㌧)2機の供給を受ける。ユーカリ及びププラチップを使用し、製造されたAMP食品用紙器用原紙(アイボリー)の原料として使用される。マシンは2022年中旬ごろ稼働予定。
現在玖龍社はアイボリーは製造していないが、4工場に於いて合計300万㌧のコートボール製造能力を持っている。東莞工場に150万㌧のコートボールマシン製造能力があるが、同社は東莞工場に於いて60万㌧のパルプ製造許可を取得している。中国政府の古紙輸入禁止によって古紙原料が不足する事からこれらのマシンをアイボリーに転抄するものと思われる。また北海市の工場に120万㌧の食品用紙器マシンの建設を発表しており、2023年第4四半期の稼働となっている。

同社はVoith社とテストライナー及び白ライナー、中芯ラインで合計80万㌧3機の段原紙供給契約も結んでいる。

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