■ 世界の段原紙・パルプ増産情報
2021年6月25日
浙江景光紙業は江蘇省宿遷市の経済特区に年産200万㌧の段原紙と2機合計6万㌧の家庭紙工場を建設する事を発表した。家庭紙ラインは2020年上半期に稼働を開始する予定となっている。同社は現在江蘇省平湖市に於いて6.8万㌧のティッシュマシンと112万㌧の段原紙を生産しており、大幅な増産となる。
山鷹紙業は5月、タイの40万㌧再生パルプラインのテスト運転を開始した。4.8mの乾式ドライパルプラインで日1200㌧の処理能力がある。現在圧搾脱水機によって50%まで脱水したパルプをベール状にプレスし船積みしている。同乾燥工程には蒸気乾燥工程のスペースが残されており、蒸気の確保ができ次第乾燥機が導入される。さらにタイ工場とは別に関係子会社を介してタイ大手板紙メーカーであるDoubleA社より30万㌧の再生パルプ供給の供給を受ける。昨年7月には40万㌧の再生パルプ工場をChonburi州に稼働させており、新ラインの稼働により山鷹社は年間110万㌧の再生パルプをタイから調達する事となる。
同社の2020年年間売上は249.69億元、(内板紙生産181.93億元)生産量510.17万㌧ 営業利益(48.62億元)段ボール生産量14.67億㎡(21年には20億㎡を目指す)となっている。
安徽林平紙業は安寧省に於いて年間90万㌧の段ボール原紙工場を建設する事を発表した。導入されるマシンは3機で2機(PM7・PM8)は抄紙幅6600mm、抄速1000m/分、坪量80-200g/㎡のテストライナーマシン。残るPM9は90-160g/m2も強化芯ラインで各マシン30万トンの生産能力となる。 同社は2002年設立、現在抄紙機6機で95万㌧の生産能力を持ち、安寧省第2位の段原紙メーカーでこの増産により同社の生産能力はほぼ倍となる。
江蘇金盛紙業は金田紙業と合弁で70億人民元を投じ東莞市に250万㌧の段ボール工場を建設する。10機ものマシンを導入する予定で第一工期は35億元を投じ80万トンのテストライナーと20万㌧の強化芯マシンを導入し2022年9月の稼働予定となっている。第一工期の完成後は売上高40億元、利益2億元を目指す。
理文紙業は間接子会社であるAble Might社を通じ、カンボジア地元製紙企業であるShunying Pulp and Paperの発行済み株式の49%を取得した。取得金額は5億4400万㌦。Shunying paper社はカンボジア沿岸部カンポット州の126.11haの土地を9,874万㌦で取得し新しい工場を建設する。工場が稼働すれば2261人の雇用を生み出す予定となっている。
江西五星紙業の100%子会社である五洲特殊紙は江西省九江市にある工場に年産50万㌧のアイボリー等食品・飲料容器用板紙マシンと浙江省衢州工場に20万㌧のパッケージマシンを導入する事を発表した。 オーストリアの設備メーカーAndritz社によると同社と4機のオンラインコーターを導入する契約を結んでおり、設備能力は5.66m幅、1000m/分、稼働は本年度中との事だ。九江工場は現在30万㌧の特殊紙と30万㌧の非塗工上質紙、衢州工場は10万㌧のKLBと6.6万㌧の特殊紙マシンが稼働している。
ブラジルのKlabin社はBCTMPライン及び板紙ライン(PM28)を導入する事を決定した。Valmet社の9000mm幅、150-350g/㎡、抄速1200mで年産46万㌧の液体包装板紙を生産する。原質にはユーカリ及び赤松パルプを使用できる設計となっており、日産処理量1000㌧のパルパーを設置する。BCTMPラインは日産400㌧でいずれもValmetIQシステムを搭載し2023年第二四半期の稼働予定だ。