■ 世界の段原紙・パルプ増産情報
2022年4月27日
インドネシア大手紙パルプメーカーであるAplir社はインドネシアスマトラ州に於いて年産120万㌧規模の板紙工場を建設し、包装紙事業に参入する。190億㌦を投じた事業は既に建設作業が進んでおり、来年の5月に稼働を予定している。インドネシアは中芯の生産量が多く段原紙の輸出国であるが、一方でバージンベース板紙の生産量は少なく今年1、2月だけで5000tが輸入されている。同社は食品容器包装やカップ原紙、煙草箱用途など高付加価値板紙市場を中心に市場へ参入する。同社はパルプ、印刷用紙をメインとした製紙企業でPPCなどの供給で大きなシェアを持つ。同社姉妹会社のAsia Symbol社が中国日照市に於いて55万㌧の紙器高板を生産している。
中国大手製紙企業、山鷹国際は安徽省に新たに70万㌧のパルプライン及び180万㌧の板紙マシンを導入する事を発表した。計画には10万㌧の藁パルプ、40万㌧のサーマルパルプ、40+50万㌧の中芯マシン2機、50万㌧のライナーマシンが含まれる。
江西五星紙業は江西省に於いて年産50万㌧のアルカリパルプ(APMP)ラインを導入する事を発表した。設備は乾燥工程を含むドライパルプで環境許可は2022年3月に取得している。マシンはオーストリアAndritz社製で原料はユーカリを使用する。製造されたパルプは昨年稼働を始めたKLBマシンに供給され一貫化させる。
インド西ベンガル州の都市シリグリ市に拠点をもつKanha Paper Mills Pvt. Ltdは白ライナー、中芯、テストライナーの併抄マシンを稼働させた。 マシンは地元企業であるScan Machineries社製、マシン幅4100mm、80~220g/㎡の板紙を抄紙できる。生産量は日産200tで将来的には300tまで生産効率を向上する。
South india Paper 社はインドカルターナカ州ナンジャグドゥに於いて、段原紙マシンを稼働した。同マシンは新型肺炎の影響により計画より稼働が遅れていた。マシンは中芯、白ライナー、ライナーの併抄マシンで日産は350t規模となっている。