■ 世界の段原紙・パルプ増産情報
2021年10月30日
江蘇金田紙業は江蘇省塩城市に2基の段原紙マシンを増設する。2022年稼働予定で90-160gのテストライナーを2基合わせて円環61.2万㌧生産する。経営計画に予定されていた100万トン増設計画(60万tのチップボード及び40万㌧の段原紙増産計画)の一部で当初の予定より事業拡大される見込み。
鄭州東森紙業は江南省新密市に年産18万tの段原紙マシンを増設する。マシンは中国メーカーのDazi Paper Machinery社製で5.4m幅、抄速800m/分 60-110gの強化中芯を製造する。原質設備は同じく中国企業のLeizhan Tecnolgy Paper Machinery社製を採用する。同社は新密工場において現在3機の中芯マシンを運営しており、総生産能力は17.5万t/年 新マシンはこのうち2基と入れ替える計画となっている。2基は合わせて7.5万tの生産能力があり、古く小さいマシンを入れ替えるもので昨年環境許可を取得した。
タイの財閥大手SCG社はベトナム関連企業のVINAKRAFTを通じベトナム北部の都市Vinh Phucに製紙・製函一貫工場を建設する事を発表した。24年の稼働を予定しており、総投資額は8兆1,330億ドン(3億5,500万ドル)で4機で合計37万㌧の板紙マシンを稼働させる。同社はレンゴーとSCG社30/70の合弁会社でホーチミンにて50万トンの工場を稼働している。新工場が稼働すると同社の生産能力は87万トンとなるベトナムで最大の板紙メーカーとなる。統計によるとベトナムの段ボール内需は21~24年の間に毎年6-7%成長すると見込まれており、市場の成長を取り込む。
浙江森林聯合紙業は浙江省台州地区の工場に60万㌧のコートボールマシンを導入する事を発表した。マシンはValmet製で6.3m幅、抄速1000m/分の設計で180-350g/平米のコートボールを日産最大1800㌧を生産できる。2023年の稼働予定。
オーストリアのPulp Mill Holding社は1600億ルーブルを投じ自身ロシア子会社PPM JSC工場の近代化改修を進める。2022年より工事を開始し、26年の完成を目指す。工事には70万㌧の段ボール原紙(PM3)の増設も含まれ、総生産量はパルプ170万㌧、段原紙130万㌧となる。
米国Pratt Industries社はケンタッキー州Henderson工場に於いて新マシンPM18の建設を開始する。マシンはValmet社製で100%古紙使用の段原紙を生産、総投資額は9000万€に及ぶ。同社は2015年と2019年にもValmet社のPM16、17を稼働させており、PM18は2023の稼働を予定している。抄紙幅8.3m、抄速1100m/分で112-170g/㎡のテストライナーを日産1360㌧生産できる。