注目キーワード
段原紙増産

世界の段原紙・パルプ増産情報

世界の段原紙増産情報

  ■ 世界の段原紙・パルプ増産情報

2021年12月24日

 中国

太陽紙業(サンペーパー)は12月4日、広西省北海市にある工場で年産100万㌧のアイボリーマシンのテスト抄紙を開始した。マシンはVoith社製、抄紙幅8.9m、マシンスピード1300m/分で、同工場に於いて生産された60万トンのBCTMを原料に抄紙する。同社は既存4機、年産合計138万㌧のバージンパルプ板紙マシンを山東省揚州工場で稼働させている。北海市工場における新マシンの稼働で同社のバージンベースの板紙生産量は238万㌧規模になる。 現在バージンベース生産量205万㌧のチェンミン社を抜き、685万㌧の生産量をもつAPP社に次いで二位となる。 北海工場では9月から55万トンの上質紙マシンと6万㌧のティッシュマシン、20万㌧のアルカリパルプマシンが稼働を開始している。しかし、中国市場での印刷用紙生産過剰の現状を鑑みて、同上質紙マシンを一部板紙(薄物ライナー及び中芯*70-120g/㎡)の生産に切り替える決定をしている。 原料は同工場で生産する80万㌧の漂泊広葉樹パルプと外部調達の化学パルプを使用する。

APP社は広西省欽州市工場に於いて年産120万㌧の高板マシンを稼働させた。マシンはValmet社製、マシン幅8.85mで抄速1450m/分、坪量190-300gのアイボリーボードを抄紙する。同工場(广西金桂浆纸业有限公司)では既設年産100万㌧のアイボリーマシンと3機(95万㌧)のセミケミカルパルプマシンが稼働していた。同社は浙江省寧波工場に於いて175万㌧、山東省で70万㌧、江蘇省で220万㌧、中国全土における高板の生産量は685万トンで中国1位の生産量を誇る。

衢州五洲特种紙業は江西省九江市に於いて年産50万㌧の高板マシンを稼働させた。同工場10号機となる同マシンは杭州北辰轻工机械社製でAndritz社のコーターで構成される。主に食品及び液体容器包装用途のアイボリーボードを生産する。同社は2018年創業の進行企業で、30万㌧の上質紙マシンと、30万㌧の上質紙及び中芯の併抄マシンを稼働させている。また浙江省では20万㌧の液体容器包装原紙の環境許可を取得しており、6億7000万人民元を投じ事業を拡大していく。

新亜紙業は河南省新郷市に於いて50万トンのバージンベース高板マシンを増設する事を発表した。マシン幅5.6m、抄速950m/分、で180-450gのアイボリーボードを生産する予定で22年末の稼働を目指す。Andritz社及びDazhi paper Machinery社が設備を供給する。同社の季節マシンの生産能力は26万㌧で、2011年の増産計画により20万㌧増設中となっている。今回の発表により同社の生産能力は23年に96万㌧規模となる。

中順洁柔(达州)紙業は40億元を投じ年産31.8万㌧の漂泊竹パルプライン及びその竹パルプを使用し家庭紙を製造する抄紙機を4機導入する。家庭紙の生産量は4機で30万㌧規模になる見通し。

臨流華星紙業は山東省臨沂市に於いて日産850㌧年産20万㌧の段原紙マシンを導入する。マシンは紙幅5400mm、抄速750m/分で中国産を導入する。同社は2005年に設立された新興製紙企業で、資本金7000万元、現在の生産能力はマシン2機で年間15万㌧。

 インド

インドEdicon Paper Product社はクジャラート州モルビ地区に於いて15万㌧のコートボールマシンを稼働させた。中国製のマシンを導入し、マシン幅は3700mmで生産坪量は120~280g/㎡、総投資額は20億

インドDiyan Papersは古紙ベースの包装用紙マシン(PM2)の稼働を開始した。マシン幅、4.2m、抄速500m/分で80-260g/㎡のクラフトライナーを生産する。 日産350㌧の能力を持ち、完成した原紙はトルコ、ベトナム、インドネシア、カンボジアなど海外市場を狙い完全輸出専用マシンとする予定だ。同社は2019年末にコートボールの生産を開始し、2号機となるマシンの稼働によって日産700tの規模となる。

インドOrient Board and Paper Mills Pvt. 社は2機目となるMGクラフト紙マシンを21年9月に稼働開始した。 マシンは地元企業であるHardayal Engineering社製で抄紙幅4.1m、抄速350m/分で日産70㌧の薄物(18~100g/㎡)MGポスターを生産する。総投資額は3億INR、白色度は85以上が可能で、ポスターや封筒だけでなく、製薬業界や食品などの市場も狙う。インドの包装市場規模は世界の4%に達し、今後毎年9~10%成長すると予想されている、

インドJagdhatri Paper社は9月、2号機となるKLBマシンを稼働させた。マシンはインドNKR Engineers社製、120~450gのバージンベースKLBを日産250㌧生産する。

インド最大手段原紙メーカーであるJodhani Papers社はトゥマクール地域に於いて3号機を稼働させた。マシン幅 5.3m 抄速700m/分 日産500㌧とみられる。 

 その他 

ベトナムPhuongdong Packaging paper社はNinh Binh省に於いて15万㌧の中芯、ライナー併抄マシンを増設する事を発表した。原質設備はAndtritz社製で2022年第三四半期の稼働を予定している。同社はBac Ninh省に於いて古紙を原料とした年産1万㌧の包装用紙マシンを2008年に稼働させている。

ベルギー拠点を置くVPK社は、今年6月にダブルA社から買収したフランスのAlizay工場に於いて現在停機中の上質紙マシンを2022年末に薄物段原紙マシンに転抄し再稼働させる。  同社は10月に発表された当転抄計画を持続可能な経営計画の一貫と位置付けており、マシンはValmet社製。転抄後の抄速は1300m/分で75-135g/㎡の中芯及びテストライナーを年間45万㌧生産する。VPK社は世界規模の段ボール一貫企業で世界20か国70工場に於いて6500名を雇用する。現在フランスに製紙3工場、製函9カ所、紙管工場1カ所を運営している。

トルコ繊維製造メーカーであるKıvanç社はトルコ中南部のアダナ県に於いて、段ボール原紙工場を建設、紙パルプ業界に参入する。1号抄紙機はValmet社製で50-135g/㎡のテストライナー及び中芯を年間36万㌧製造でき、マシン幅7250mm、抄速1200m/分、23年第3四半期の稼働を目指す。総投資費用は6000~7000万€規模になる見通し。

段原紙増産
最新情報をチェックしよう!