アジア諸国廃棄物原料を輸入規制

  ■ アジア諸国廃棄物原料を輸入規制

2018年10月18日

 タイ

中国の環境規制による東南アジアへの廃棄物資源の流入が問題になっているが、タイでも例外ではなく廃プラ輸入量は前年度比2000%近く上昇し91,505tとなった。 米国からマレー向けの輸出は273%増の157,299t、ベトナム向けは46%増の71,210tだった。中東や韓国向けの輸出も増えており中国以外の国へ分散し輸出が継続されている実態が見えてきた。

各国で廃プラの輸入が規制される中、タイ政府も10月14日すべての廃プラスチックの輸入を2021年までに輸入禁止とする計画を発表した。 これを受けてAPL社(シンガポール国籍の船会社)は北米からの中国、台湾、タイ、ベトナムへの廃プラの船積みを今後受け入れしない旨発表した。

 マレーシア

マレーシア政府は7月23日から3カ月間停止されていた廃プラ輸入許可書を10月23日に限定的ではあるものの許可申請を開始する予定だったが、9月26日に発表された「プラスチック廃棄物輸入許可証(AP)の調整と輸入廃プラの賦課金(関税)の増税RM15/トン(約405円)」に続き、10月16日輸入廃プラスチックの全面禁止を発表した。 すべての廃プラスチックの輸入は凍結され輸入業者のライセンス承認は、年末まで延期される見込みだ。

廃プラリサイクル業界の関係者は、農業廃プラや家庭廃プラなどのリサイクル不可能な廃プラスチックの輸入禁止は理解するが、廃プラの完全輸入禁止と廃プラのリサイクルの禁止は間違っているとし、関係団体は、関係省庁に異議申し立てを提起する予定だという。

 台湾

8月から台湾政府でも古紙や廃プラの輸入規制をすることについて議論がなされていたが、10月4日、「廢棄物輸出入管制判定參考手冊」【熱塑型廢塑膠及廢紙】廃棄物輸出入管理判定参考マニュアル「廃プラ及び古紙」が発行された。内容は廃プラ及び古紙に関する輸入規制についての方針と詳細だが、罰則を含めた関連法律が制定されている。

税関は輸入された貨物につき「事業系廃棄物原料に関する要求」関連の規定に違反する恐れがある場合は直ちに環保署に通知し、違反が発見された場合は「事業系廃棄物輸出入管理規定・第10条」に基づき通知を行い、また通知から30日以内のシップバックを命じる事ができる。 また「廃棄物清掃法・第53条」により6万NTD以上1000万NTD以下の罰金に処される等、廃棄物原料の輸入規制と罰則の強化が規定されている。 

「廢棄物輸出入管制判定參考手冊」【熱塑型廢塑膠及廢紙】-台湾-廃棄物輸出入管理判定参考マニュアル「廃プラ及び古紙」

事実法律の制定後台湾に到着した古紙の税関検査はかなり強化されている模様。 新法案では段ボール古紙とクラフト古紙及びオフィス古紙に限って輸入は認められるとされ、それ以外の古紙は政府関連当局に事前に届け出許可を得なければならない。 

輸入にはその再生に必要な設備を有した最終ユーザーのみが可能で、一時加工のみの目的「再輸出」は許可されず必ず国内で消費する必要がある。 各国の古紙品質規格を参考にし、その輸出国の国内で使用できない品質レベルの古紙は原則シップバック扱いとされる方針の様だ。 

台湾では古紙は自国回収のみでは賄いきれず輸入に依存しているが、輸入規制の強化具合や詳細、あるいは税関検査の強化期間は11月に米国同様台湾でも中間選挙が行われそれまでに詳細が決定される模様。

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