カナダ洪水の影響色濃く 物流網の混乱からパルプ生産に影響

  ■ カナダ洪水の影響色濃く 物流網の混乱からパルプ生産に影響

2022年2月19日

昨年11月に発生したカナダブリティッシュコロンビア州の大洪水により、バンクーバー港周辺の拘束道路や鉄道網が破壊され、未だ完全復旧には至っていない。  バンクーバー港はカナダ最大の貿易港で、住宅用木材や穀物どの国際相場の上昇や品薄状況を招いた。日本に於いてもマクドナルドのポテトが販売制限になるなど影響がでている。

カナダ大手パルプメーカーであるCanfor社は、輸送手段の不足を理由にBCTMPの生産を6週間停止する事を発表した。これにより約25,000㌧のパルプ供給が減少する。 またPaper Excellence社もサスカチュアン州メドレウレイク工場のBCTMラインにおいて無期限の減産を発表した。鉄道輸送の力の不足によりパルプの出荷量できず、これ以上の在庫ができない事を理由に挙げている。 木材やその貨物の運送にも影響が出ており、世界需給への影響は長引きそうだ。

バンクーバーの洪水は「世紀に1度」と呼ばれる規模で地域に壊滅的な被害をもたらした。この大洪水が発生した背景には気候変動と近年繰り返される山火事が関係しているといわれている。 21年の夏は500人もの人が命を落とすほどの記録的な熱波が発生した。気温が49.5度に達した地域もあり、大規模な山火事が発生。 火事で地面が焼けると舗装された道路のように表面が固まって、水を吸い込みにくくなることがある。その影響で雨が地面に吸収されることなく流れ、さらに火事で消失した木々の残骸や灰などが地面を覆っており、それが大雨によって一気に流され大洪水に発展したという。ブリティッシュコロンビア州は世界的貨物の輸送拠点でもあり、この水害は国際的な影響をもたらした。

カナダ政府は一刻も早い復旧とインフラの強化を約束している。

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