■ 中国1月~3月古紙輸入270万t、ライセンス発行553万tに対し48.9%の使用に留まる。
2019年5年30日
中国の通関統計を見ると今年の1~3月の古紙輸入実績は270万7,491t、同月までに発行されていた古紙輸入ライセンス(553万6,820t)に対し48.9%のみの消費に留まったことがわかる。
思いのほか少ない量の消費となっているが、1~3月は不需要期でもあり、旧正月明けに船積みされた欧米古紙が4~5月に到着すると思われる。
5月末現在発行された輸入ライセンスの総量は823万3,055tで4月~5月においてどの程度の古紙が輸入されたかによって中国製紙メーカーの資材調達に対する方針が見えてくるだろう。
270万tを四半期ベースにすると年間大よそ1080万t。 今年は1,000万~1,200万tのライセンスが発行されると予想され、秋需に需要が増える事を加味しても程よく分散させた数字ではある。 輸入が少なかった理由が「不需要期」であれば4~5月の輸入数量は大幅に伸び、年間を通して安定した数量を購入する方針であれば次四半期も同等の輸入量にとどまるだろう。
ライセンスの消費数量が次期四半期の取得数量に影響する様であれば第1四半期の発行数量と輸入量は説明がつかない為、年間の発行数量は実際の輸入量と関係なく大よそ当初の噂通り第1, 2,3,4四半期において40%、30%、20%、10%ずつ発行されると見て間違いないだろう。
ライセンスを保持するメーカーは、国内の古紙が高騰すると予想される秋需付近までライセンスを温存し、計画的に購入した方がライセンス有無による競争力を最大限に発揮できる。 さらに本年のライセンス発行数量の予想がついている為、資材調達に於いて船足の長い欧米品も計画的に調達できるだろう。 昨年の様に秋需はあっても年末あわててライセンスの消費に走り、過剰な価格高騰を招く様な事はないと思われる。
いずれにせよライセンス数量そのものは大幅にカットされており、2019年は年間を通じて世界的に古紙が余剰する可能性が非常に高い。