■ 米国・豪州古紙、中国にてシップバックが多発
2018年4月18日
3月21日、寧波検疫局によるとアメリカからの輸入古紙2件(合計432t約9万ドル相当)にて基準を超えた禁忌品が混入していることが発見されシップバックを命じた。2017年のナショナルソード開始以来寧波港では初のシップバック事例となると公表した。
3月28日、浙江省嘉興市出入検査検疫局はアメリカ・ロサンジェルスからの古紙9コンテナ180t(約3.65万ドル)において禁忌品(缶、機械部品、木製ブロック、古着、ペットボトル、ラミネート紙)が5.26%含まれていたとして、米国へシップバック処分となった。
4月10日浙江省税関当局はアメリカからのOCC 469tに輸入禁止固形廃棄物が混入していたとしてシップバックを命じた。税関職員の話によるとコンテナ20本のロットで廃金属、廃ペットボトル等が混入し総量は5.28%にも及んだ。検査場は刺激臭が広がり、今後同エリアは梅雨時期へと入り気温が急上昇する為、このような古紙が輸入されヤードにて長期間保管された場合病原菌が広がる可能性があるとして厳重注意処分としシップバックを命じたとのこと。
4月25日青島地方新聞によると、オーストラリアから輸入された古紙に対し地元検疫局が現場開梱検査を実施した所、40feetコンテナ60本1430.53tにおいて衛生状態が悪く廃プラスチック、廃木材、金属くず、缶、使用済み衣類およびその他の廃棄物が多量に含まれていることが判明した。
禁忌品は全体数量の1.29%を超え0.5%基準を大幅に超えていた為青島税関に差し戻しされた。これは昨月12日に同検査局からシップバックされた1208tのAOCCを超える最大事例となった。当該古紙は韓国のブローカーに転売され韓国へとリシップされたとのこと。
オーストラリアでは家庭から排出されるごみは赤・黄・緑の回収BOXを設け分別回収を行っている。回収された廃棄物の内ガラス瓶は再生ものよりもバージンから生産する方がコストが安くリサイクルできないと言われてきた。
しかし中国の輸入規制がかかった現在は古紙・廃プラを含むリサイクル市場全体が持続不可能になりつつあり、廃棄物業界に大きな影響がでている。
2014年の年間廃棄物回収量は1,700万トン、その内700万tが最終埋め立て処分場にて処理された。残りの1,000万tがリサイクル目的で輸出あるいは国内で再利用されている。これらの廃棄物がリサイクル不可となり最終処分場へ回った場合、その処理費用に1tあたり62~130AUD(5,146~10,790円)かかると言われ、オーストラリア政府は懸念を示している。
山東省環境局は3月1日の新基準施行以後検査の強化を実施してきたが、同局だけで19件ものシップバックを決定した。最も品質の悪かったもので6.78%もの規格外品が混入していたと発表している。同局はシッパー及び荷受人に対し新基準の指導を徹底し、検査強化をすることにより廃棄物の国内への流入を防止するとコメントしている。